この間職場へ自転車で行こうと思ったら

前輪の空気が抜けている。

 

 

ヤバい…

 

 

急いで空気入れで入れてみたら

空気は入る。

 

 

抜けている音もしないので

空気入れを持参して

自転車でそのまま行く事にした。

 

 

 

しかし

「これほんまに大丈夫か?」

「帰る頃にまさかパンクしてるとかない?」

 

 

段々と不安がよぎり

 

職場についてから

出張修理に即電話。

 

その後来てもらった。

 

 

若いお兄ちゃんがバイクに乗って登場

 

 

パンクも調べてもらったが

パンクはしていないようで

 

 

虫ゴムの劣化との事で

虫ゴムを新しいものに交換してもらった。

ついでに後輪も。

 

 

お兄ちゃんに

「よかったら飲んでください」と

 

「DEKAVITA」を渡したら

 

 

原材料をめちゃくちゃ確認している。

 

 

「炭酸無理?」

 

と聞くと

 

 

「いや… 糖分が…」と

 

 

 

「んん?病気なん?」

 

 

思わず聞いてしまった。

 

 

 

じゃあ

お兄ちゃん(以下兄)

「そうなんです。糖尿病なんです」と。

 

 

「そうやったんや。

じゃあ糖分の管理大事よな」

 

 

「はい」

 

 

「じゃあちょっと待ってて」と

 

 

お茶を取りに行き

 

お茶を手渡したら

 

 

「いいんですか?」と

 

その場で飲み始めた。

 

 

「喉乾いてたんやなぁ」と思いながら

そのまま話すような事になり

 

 

 

1年前に意識を失って倒れた事から病気が発覚
 

つい1ヶ月前に四国から大阪に出てきた。

 

いつまでも元気だと思っていたけど

そうじゃない事がわかったので

自分の夢を追いかけたいと思って大阪に来た。

 

 

そんな話をしてくれた。

 

 

「そうかぁ」と

話を聞きながら

 

 

若いのに病気になって

自分の人生を見つめ直して

生まれ故郷を離れて

ひとりで大阪へ来たお兄ちゃん

 

 

ほんますごいなと感心した。

 

 

息子の意思を尊重して

大阪に行かせた親にも感服

 

「私なら行かせられへんかも…」

ともよぎった。

 

 

そこで

私の話もした。

 

 

 

「私も実は1年前に病気になってさ。

それまで自分を追い込んで追い込んで

頑張る事ばっかりしてきたけど

病気になって

「もう少しペースを落とせ」って

言われてる気がして…

病気ってさ、ほんま大変やけど

きっと意味があるんやと思うねん。

お兄ちゃんも病気にならんかったら

夢を追いかけようとも思わんかったわけやろ?」

(私の病気の事は追々記事にするつもりだ)

 


と言うと

 

 

 

お兄ちゃん涙ぐむ。

 

 

 

「おっ ごめんごめん。

いらん事言うてしまったかもな。

大丈夫?」

 

 

「いえ、こんな風に話を聞いてくださる方が

いるとは思っていませんでした」

 

 

私「そうかぁ…

1人で大阪に来てほんまお兄ちゃんえらいわ。

頑張ってるなぁ。

お兄ちゃん兄弟構成は?」

 

 

兄「兄と姉が」

 

 

私「じゃあ末っ子の次男?」

 

 

兄「はい そうです」

 

 

「お母さん

ものすごいお兄ちゃんの事可愛いと思うで。

うちもそうやけど

末っ子はいつまで経っても小さいままでな。

親からしたらほんま可愛いんよ。

お兄ちゃんの夢を応援して

大阪に行かせてくれたお母さんは

ほんますごいと思う」

 

 

兄「そうですね」

 

 

 

そんな会話をしながら

お兄ちゃんは最後にお茶をもう1口飲んで

次の現場へと向かった。

 

 

たまたま来てくれた出張修理の若者

 

その若者とこんな深い話ができて

とても刺激を受けた1日となった。

 

 

私はこの若者を応援したい。

 

 

私が乗っている電動自転車は

もう9年を経過している。

 

 

もうそろそろ買い替えを考えなければならない。

 

いや

もうそろそろではなく

既に買い替えておくべき位のレベルなのである。

 

 

彼の成績にしてあげたい。

そんな想いが働く。

 

歩合給が出るなら

少しでも彼の足しになるのでは…

 

 

彼を指名しよう。

 

 

そう心に誓った。

 

 

そして一昨日お店に行った。

 


店の中を見回しても

彼らしき店員はいない。


 

他の店員に

「○○さんいます?」と聞くと

 

 

「僕は今日他の店からの応援で入っていて

○○さんわからないんです…」

 

 

仕方なく

その応援の店員に

一通り自転車の概要は聞いた。

 

 

そして帰ろうとしたら

あのお兄ちゃんらしい人を

発見!


即寄って行き

 

 

「○○さん?」と聞くと

 

 

 

「あっ、違います。

今日○○は休み頂いていまして…」

 

 

 

チーン

 

 

 

あんなに長い時間

深い話をしてくれた若者の顔を

すっかり忘れてしまう47歳の自分…

 

 

開いた口が塞がらない。

 

 

 

今度は事前に電話して

彼が居る日を確認した上で来店しよう。



その上でも

彼の顔を思い出せないかもしれない。



そんな自分が怖すぎる。



今回人違いしたお兄ちゃんに

再度「○○さん?」と

聞くことだけは避けよう。



そう決めている。