今僕が子供だったら、今の大人をどんな風に見ているだろう?

 

自分は来年57になる。

 

当たり前だけど50年前は7歳、40年前は17歳。

 

まだインターネットもSNSもなかった子供の頃

 

自分にとって「大人」とは生まれ育った村のおじさんやおばさん、

 

学校の先生達や、友達の親御さん、そして親戚筋の人達。

 

テレビやラジオ、本の中にいる「大人」もいたけど、

 

そのほとんどは目の前にいるリアルな存在。

 

小学校2年の7歳の時、「大人」とはただただ「おっさん」「おばさん」で

 

優しかったり怖かったり、面白かったり近づきがたく感じたり…

 

高校2年の17歳になると、「大人」とはすぐそこに近づいてきた数年後の自分のことになり

 

反抗したり尊敬したり憧れたり、勉強のために「大人」が発する言葉に耳を傾けたり…。

 

時にはあーはなりたくないと抵抗したりする大人にあったこともあるけど

 

自分の将来を「大人」の世界に投影して、いい意味で影響を受けたりすることの方が多かった。

 

50年前と40年前の自分とでは「大人」という存在に対する感じ方はまるで違ってるけど

 

今思えばテレビなどの中にいる「大人」以外は

 

どちらも目の前で実際に生きている「大人」だから、「大人」を感じる時間は全て「生」。

 

いい意味でも悪い意味でも、全てリアルな大人たちが目の前にいた。

 

 

 

それが今はどうだろう?

 

情報化社会になり「生」ではない「大人」の情報が否応なく耳に入ってきて、目に飛び込んでくる。

 

子供でも分かるような嘘を平気でつく大人

 

その嘘を知っているのに知らないふりをして自分だけは「いい人」を取り繕う大人

 

悪いことをしたのは自分なのに他人事のように話す大人

 

平気で人をだまし、人を傷つけ、時には命を奪ったりする大人

 

お金に群がり、異常なほどに執着する大人

 

いかにも「悪そうな人」ならともかく、

 

一流大学を出て大企業に勤めている人でも目を疑うようなことをしたり

 

何よりこの国を動かしているような「政治家」という名札をもらった「大人」が

 

いかにも「悪そうな人」顔負けの事を平気でやっている。

 

「悪いことをすれば罰を受ける」

 

小学生に入る前の僕でもわかっていた。

 

だけどここ最近見えてくるのは、「悪いことをしても罰を受けない大人」の姿

 

中学、高校になると実感として身についてくる「責任」という言葉が

 

どこにも身についていない「大人」の姿が毎日のようにNETニュースに流れてくる。

 

そんな空気が蔓延と流れ込んでくる今の時代

 

僕が子供だったら、今の大人をどんな風に見ているだろう?

 

そんな大人を通して見えてくる数年後大人になった自分はどんな姿をしているんだろう?

 

 

 

いつの時代も子供にとって大人は、その成長過程において大きな影響を与えてしまう存在。

 

その影響のなかには「いいもの」も「わるいもの」も混在しているのが現実だけど

 

そんな中で自分を創り出していく糧にして僕らは子供から大人になってきた気がする。

 

だけど、50年前、40年前と比べると、今はあまりにも「勝手に」情報が流れ込んできてしまう。

 

その情報をどう受け取るかは、その受け取った人それぞれだけど、

 

昔よりその受け取り方が難しくなっているのは間違いない。

 

自分を正しく創り出していく糧にする間もなく、流され、染まっていってしまう。

 

それほど昔に比べれて今は「雑音」が多すぎる。

 

 

 

「少子化」や「人手不足」「高齢化」が問題視される中

 

「次の世代に残していかなければいけないもの」…なんて綺麗な言葉

 

今の大人が、どの面下げて言えるんだろう?

 

ひょっとしたら、僕が今子供だったら、今の大人を見る目はこんな感じになるのかもしれない。

 

 

 

今の時代で「大人」と呼ばれる存在になってしまっている僕らは

 

真剣に「次の世代」の事を考えるなら、僕ら自身の足元を真剣に見直さなければいけない。

 

次の世代に残し、繋げていってもらえる背中を、僕らは子供たちに見せられているんだろうか?

 

僕が子供の時に見ていた「大人の背中」は、もっとカッコよかった。

 

「あーなりたい」と思える、そんな背中に出会えた時間がもっとあったような気がする。

 

僕も含めて、今の50台、60台、70台、80台の大人の方々は知っておかなければいけないと思う。

 

私たちが子供だった時代より、今はいろんな情報が大量に世の中を包み込んでいって

 

勝手に世の中を空気を作ってしまう事を。

 

それが事実だろうが嘘だろうが、空気になってしまえば、それに抗えるほど子供は強くない。

 

この時代に流れる空気に違和感を感じ、それに逆らい、

 

自分自身を正しいと思える姿に創り出すことはほんとに難しい。

 

だからこそ、今の子供たちにとって「大人」と呼ばれる世代の僕らは

 

僕らが子供だった頃に「大人」と呼ばれていた人たち以上に、もっと足元を正し、

 

自信をもって今の時代を生き抜いていく姿を見せないといけないんだと思う。

 

「次の世代」に残すべき「大人」の姿は、今も昔もこれからも、そういう姿じゃなければいけないんだと思う。

 

それが「大人」が取るべき責任なんだと思う。

 

 

 

さすがに、近頃の政治家を取り巻くお金を中心にした話題には嫌気がさす。

 

子供にとって見たら、僕もNETニュースに流れる政治家もSNSの中で捕まっている人も

 

みんなみんなひっくるめて同じ「大人」になってしまう。

 

そんな中に、子供たちが「あーなりたい」と思える「大人の背中」はほとんどない。

 

このままじゃ、ホントにダメになっていく。

 

そんな気しかしない。

 

 

 

子供たちが「あーなりたい」と思える存在になっているのは

 

大谷翔平を筆頭とした一握りのアスリートたちと、スマホの中で躍動する生ではない人たちだけ。

 

それじゃダメだろ。

 

by Santa