西日本の被害のニュースが時間を追うごとに大きくなっていっています。

 

自分の実家も被害のあった京都ですが、幸いにも実家周辺は大丈夫だったようですが、

 

恐らく、報道されている範囲で僕らが知り得ている情報以上に

 

被害にあわれた地域の皆さんは今、大変な思いをされていると思います。

 

心よりお見舞い申し上げます。

 

 

 

「暮らしのカタチを創る」

 

そんな仕事に日々従事している中で、いつも考えている事があります。

 

それは「そもそも僕らにとって、家ってなんなんだろう?」って‥‥こと。

 

 

作り手側であるこっちの業界は、そこにいろんな価値をつけて日々「家」を発信しています。

 

「地震に強い家」とか

 

「大切な家族を守る為…」とか

 

「自然素材に包まれた暮らしを楽しもう」とか

 

「エコな暮らし」とか・・・・

 

だけど、今回のような被害に見舞われた時、その家は結局何を守ったんだろう?

 

そこに住んでいた人にとって、家は何だったんだろう?‥‥って。

 

「ここにいれば大丈夫」「家を捨てていけない」「大切なものがいっぱいある」

 

そう言って、命を無くしてしまった方が、いったい何人いるんだろう?

 

 

家を創る側の僕にとって、このテーマはいつも隣に居座っていて

 

いつまでたっても、その答えが見えてこないんです。

 

綺麗に着飾った言葉とか

 

今の時代にとって受けのいいセリフとか

 

そんな軽くて、誰もが言ってるような宣伝文句を、

 

家を創る側として、かなかコンパクトにまとめれれていない自分がいます。

 

それは、「家」というものが、そこに住まう人に対して創り出していく価値が

 

あまりにも大きすぎるから。

 

きっと暮らした月日が長ければ長いほど

 

その家で生まれた思い出が多ければ多いほど

 

「家」って、その人にとってかけがえのない何かを残していくんだと思います。

 

なのに、こんなにも簡単に、こんなにも脆く、こんなにも何もかもを呑み込んでいってしまうんです。

 

そして時には、その「家」そのものが人の判断を鈍らせてしまう事もあるのかもしれません。

 

東日本大震災の時も、同じような事を考えました。

 

そして今回も。

 

 

 

きっと、一番大切なのは「家」そのものじゃなくて、

 

「家」が創り出してくれる「家族」という単位、

 

またその集合体が創り出していく「街」というコミュニティなんだと思います。

 

「家」という箱の創り方で、家族の色が変わってくることもあるだろうし

 

隣の人同士の繋がりも変わっていくのかもしれない・・・。

 

そうして出来上がっていく「繋がり」そのものが、今回のような災害にあった時に

 

一番助けになっていく必要なモノなんだと思うし、

 

現に街の中で声を掛け合う事で助かった命も多くあると聞きます。

 

そう考えれば、「家」が僕らにとって何故必要かって、

 

「家族」そのものを創りだすために必要な場所であって、

 

人と人の繋がりを創っていく為に必要な場所なんだと思うんです。

 

 

だけど実際、この国には「家族」と言える単位より

 

「単身者」と言われる単位の方が多くなっているのが現実だし、

 

ここ数十年、この業界が創りだしてきた「家」はプライバシーを守る事に重点が置かれていまい

 

隣近所を含め、外との繋がりとの間に「壁」を創っていっている様に思います。

 

特に都市部は。

 

そう考えれば、今回のような災害がこの都市部に起きた時に

 

声をかけあえる空気は流れているんでしょうか?

 

そういうコミュニティを、僕らはこの街で創ってきているんでしょうか?

 

 

 

今回のような大規模な災害が起こるたびに

 

「暮らしのカタチを創る」側として、「一番大切な軸」は何なのか、考えさせれらます。

 

きっとそれは「綺麗」や「オシャレ」や「丈夫さ」や「素材感」だけをウリにした家を創る事じゃない。

 

家の創り方、家を創っていく過程で出来上がっていく人と人の繋がり。

 

暮していく中で生まれていく「家族」、

 

そしてそこから増えていくコミュニティそのものが

 

「家」という箱が生み出していく、一番の存在価値なのかもしれません。

 

だとすれば、創りだしていく僕らは

 

「空間」そのものの創り方をもっと意味あるものにしていかないといけないし

 

それを創っていく過程をもっともっと大切にしなきゃいけないんです。

 

大量生産のように、効率と生産性、

 

何より自分たちの利益だけを考えて「家づくり」をしてはいけないんだと思います。

 

経済優先の今、ほとんどの建築会社・不動産会社が、そこしか見ていませんが…

 

 

 

この度、西日本を襲った災害で流され、沈み、崩れていった家は

 

ひょっとしたら東日本大震災の時より多いのではないかと思います。

 

願わくば、そうして消えていった家の、

 

その一軒一軒の暮らしの中で生まれ育まれてきた絆や想いが、

 

そして、その街で育ってきた繋がりが、これからの再生のチカラになるように

 

心から願っています。

 

きっと、明日はそこからしか生まれないと思うから。

 

 

そして僕らは、そういう意味をもった「家」を、一軒でも多く創っていこうと

 

そう強く思っています。

 

 

 

そんな事を考えながら、眠りにつこうとしたら、

 

僕の頭の中に突然、昔見たドラマのシーンが流れ始めてビックリしました。

 

それが山田太一さんの「岸辺のアルバム」のワンシーンです。

 

そう・・・今回と同じ災害に見舞われ川に流されていく家のシーンです。

 

そうして、最後にそこに残ったのは、

 

残骸のように崩れた家の屋根と

 

反対に、一時は崩れてしまう寸前まで行っていたけど

 

そこまでの過程で生まれ育っていった「家族の繋がり」だったように思います。

 

 

 

「そもそも僕らにとって、家って何なんだろう?」

 

最初に書いたこの疑問の答えは、ひょっとして、このドラマの中にあったのかもしれません。

 

そんな事をつい考えてしまいます。

 

by Santa

 

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