アラシ ☆ クエスト #6 | 雨風ARASHI雲のち晴











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階段を下りて、おもわず

「アイバさーん」

って大声で呼んでみた。

すると遠くのほうで

「ハーイ」

って声が聞こえた。

えっ、冗談で呼んだのに、返事があったことに驚いて声のあったほうに走ってしまった。
でもやっぱり、途中でモンスターが出てきたから大きな声で

「ちょっと、手伝ってよ」

って声かけたら

「ムリ、俺HPもうないもん」

ちっ、役立たずだなと思いながら、必死でモンスターをやっつける。
倒して声の主のところに走る。
するとちょっと明るい髪の俺より背の高い、この場にはそぐわない明るい笑顔した男がいた。

「あなたがアイバさん?」

「うん俺アイバマサキ。君は?」

「ニノミヤカズナリ。
アイバさんの弟が泣きながらお兄ちゃん待ってたよ」

「アイツ心細かっただろうな。もう大丈夫。ニノがきたから」

いきなりニノ呼ばわりした。

「そもそも、どうしてアイバさんはここにいるんですか」

「なんかこの洞窟に来いって誰かに呼ばれて来たはいいけど、あわててきたから“キメラの翼”は忘れるわ、“やくそう”はなくなるわで動けなくなっちゃった」

「誰かに、呼ばれた?誰に」

「わかんない」

「わかんないのに、こんなとこまで来たんですか?」

「そういう世界だから」

はぁ~ため息がでた。

「とりあえず、帰りますか」

「うん、一緒に行くよ。だから仲間にして」

「ハイハイ」

『アイバが仲間になった』

仲間が増えた時の音楽が鳴り響いた。
するとアイバさんの持つ力がわかるようになった。
【人見知り】【楽天家】の性格を持っている。
[ミラクル]  [テンぱる]  [笑顔]などの特技を持っている。
持ち物はこん棒と皮の盾、皮の鎧を装着している。

「アイバさん、こん棒だけでここまで来たの」

驚いてしまう。

「俺、魔法が少し使えるもん。
《ホイミ》《ギラ》《ルーラ》《リレミト》使えるし、得意なのは《パルプンテ》だけどね」

得意げに言う。

「じゃそれらを使って洞窟からでればいいじゃない」

「MPもつかいきちゃったんだよ」

この男は計画・計算ができないようだ。
ますますため息。
まっいいでしょう。
なんだかウマが合う気がする、この人と。
せっかく仲間になったんだから、仲良くやっていきましょう。
っていうか、仲良くできそう。
この人には悪意がなさずぎる。
こういう人好きだなー。
アイバさんも何か感じたようで

「俺ニノとなら仲良くできそう。めずらしく【人見知り】しなかった。
なんでだろ。ウマが合いそう」

同じこと感じてるようだ。
でも俺はそんな感情を素直に言えない。

「そうですか、俺は不安です」

って憎まれ口きいちゃった。

『ニノは【皮肉屋】の性格を獲得した』

どこからかナレーションが聞こえてきた。
アイバさんがクスクス笑ってる。

「本当はニノも俺と同じこと思ってんだろ。わかってるよ」

ってアイバさんに肩を叩かれた。
それも結構な力で。

「アイバさん、力の加減もできないんですか」

「ごめんごめん、でもきっと俺ら仲良くなれるよ」

キッパリ言われた。
なんだこの人。
顔が赤くなる。この人には勝てない気がする。
ごまかすように

「じゃ、帰りますよ」

っていうとアイバさんが

「この洞窟ねぇ、まだ奥があって、すごい宝物があるみたいだよ」

「宝物ってなんですか?」

「さぁ、わかんない」

「なんですか、そのいい加減な情報は」

「でもないよりいいだろ」

「ハイハイ」

「返事は1回」

「とりあえずアイバさん、“やくそう”1個使って回復して。
で残り6個か。宝物はまだかなり先なの」

「わかんない」

だめだ、つかえない。

「階段2つ下りたから、地下2階か。
初めての洞窟だからそんなに深くないだろう」

「さぁ、1個目の洞窟とかわかんないから、わかんない」

アイバさんの相槌に笑えてきた。

「あなた、とことんだな」

アイバさんは、うん?って顔してる。

でもそんな顔も笑える。
やっぱりこの人には怒れない。
なんだかスゴイ人だ。

「とりあえず行けるとこまで行こう。危なくなったら帰ろう」

「うん、ニノにまかせる」

「じゃ、アイバさん“やくそう”4個持って。俺が戦うから、ヤバくなったら“やくそう”使って俺を助けて。
で合間合間にアイバさんも戦って」

「まかせて!!」

って元気に言うけど、アイバさん大丈夫かな。

「頼むから余計なことしないでよ」

「おう、まかせとけ」

「本当に大丈夫?」

「大丈夫だって」

「本当に、ホント?」

「ニノしつこい。怒るよ」

「心配だな~」

なんだかこの人と会話してると漫才みたいになる。









つづく










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