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新たな気持ちで1歩を踏み出す。
そして洞窟のある砂漠をめざす。
今度こそ洞窟にたどりつくぞ。
砂漠にでると、やはりすぐに おおさそり に出くわす。
でも今度は装備もばっちりだ。
“銅の剣”は確実にダメージを与えてくれる。
反対に おおさそり から受けるダメージは少なくなった。
『ニノはおおさそりを倒した。
20 の経験値を獲得した。18ゴールドを手に入れた』
洞窟はどこだ、早く見つかれ、早く、多少あせりながら、何の目印もない砂漠は東西南北すらもわからなくなってくる。
その間に何度も おおさそり に会い、二度ほど、夜の砂漠も経験した。
夜にはまた違うモンスターが出てきた。
そいつらもなかなか手強かった。
レベルもあがったが、“やくそう”も5つほど使ってしまった。
3日目、一度、村に帰ろうかとあきらめかけた時に、目の前に洞窟が現れた。
ホッとしたような、それでいてドキドキする。
またさらに強いモンスターのいるとこに入らなければいけない。
二人の心配そうな顔を思い出す。
一度帰ろうか迷う。
でもいざとなったら“キメラの翼“”で脱出しようと決めて洞窟に踏み込んだ。
“たいまつ“に火をつけて辺りを照らす。
見える範囲は狭い。
足元を確認しながら1歩1歩ゆっくりと進む。
アイバさんとやら、頼むから近いとこいてくれ、そんな願いもむなしく、行けども行けどもモンスターには会うけど、アイバさんとやらの気配は微塵も感じられない。
“たいまつ”を2本使い、“やくそう” が2個になったところで、一度村に帰ることを決めた。
“キメラの翼”を使うと、一瞬で明るい砂漠に戻った。
そこからさらに“キメラの翼”を使って二人が待つ、たった2日しか離れてないけど懐かしい俺の村に帰った。
村に帰ってまず一眠りする。
次の日道具屋に向かう。
「おはようございます」
「おうニノ久しぶり」
「何日ぶりだっけ」
「俺にはわからん」
「わからない?なんで」
「あいつが来てから俺たちは日にちや時間の感覚がなくなったんだ」
「あいつって?」
「あいつとしかわからん。人じゃないかもしれないが」
「えっ、どういうこと。言ってる意味がわかんない」
「まっ、聞かなかったことにしてくれ」
「うん…」
「さっ、今日は何か買っていくのか」
「うん、“やくそう”8個と“たいまつ”2個頂戴」
「おっ、珍しく大量の買い物だな。金はあるのか?」
「うん、かなり戦って貯めたよ」
「そうか、ならまけなくてもいいな」
「それはそれ、これはこれだよ。ねぇ、俺が死ぬような目にあったら心配でしょ?
“やくそう”の1個くらいケチケチしないでよ~」
「ふーん、おまけは1個でいいんだな」
ちっ、しまった。
今日はカツムラさんのほうが一枚上手だった。
「“やくそう”7個分で56ゴールド。
“たいまつ”2個で20ゴールドで合計76ゴールドだな」
「あっ、“キメラの翼”もほしい」
「何個だ?」
「2個」
「じゃ、1個おまけしてやる。
全部で106ゴールドだな。ちょうどいいから100ゴールドにしてやるよ」
「さすが、気前いいね。だからカツムラさんのおかげで死なないで帰ってこれるよ」
カツムラさんはまんざらでもない顔してる。
「“たいまつ”使ったってことは、洞窟に行けたのか」
「行けたけど、全然目的地まで行けなかったよ。途中でヤバイなと思って引き返してきた」
「そうだな。今回は約束を守ったな」
「もちろん、誰かさん達が泣いちゃうから」
「俺は泣かないぞ」
「ウソウソ、この間泣いてたじゃん」
「泣いてなんかいない」
「まっいいや。戦いながらも、帰る前も俺は二人の顔を思い浮かべていたんだけど、カツムラさんは違うのね」
「イ、イヤそれなりに心配はする....ぞ」
やっぱりカツムラさんはからかうと楽しい。
俺より大人だけど可愛い。
「じゃ、もう一度行ってくる。まだまだかかりそうだけど、頑張ってくるかー」
「おい、“たいまつ”もう1個持っていけ」
「ありがとう。じゃ行ってきまーす」
「おう、行ってこい」
次は教会。
「タカハシさん、おはよう」
「おはよう、ニノ」
「無事戻ってきたよ。久しぶりだね」
「そうか久しぶりか」
タカハシさんも日にちや時間に関してはわかんないのかな。
でもきっと聞いても話せないんだよなって感じて、聞くのはやめにした。
この人たちにはこの人たちの事情がある。
俺は自由に動けるし、日にちや時間もわかるけど、この人たちはそれぞれの場所以外に動けないようだ。
確かにゲームの世界でもそうだったけど、なんだか悲しくなってしまう。
俺はその気持ちを振り払って
「記録して」
「お前が色々考えている間にもうしたよ」
さすがタカハシさん。
「あとね、お金預かって。500ゴールドね」
「1回の旅でこれだけかせいだのなら、かなり戦ったんだな」
「うん、頑張ったよ。でもね目的の所までは行けなかった。だから今日もまたチャレンジしてくるよ」
「気をつけて行っておいで。しなくていい無茶はするなよ」
「わかってます。じゃ、行ってきまーす」
洞窟にすぐ辿りつけるか不安だったけど、なんとか前よりは早く辿りついた。
“やくそう”も消費しないで、HPもさほど消費しなかった。
いい出だしだ。
洞窟の入り口で ”たいまつ” に火をつけ、アイバさんとやらを探しにいく。
この間かなり歩きまわったから、ある程度の深さまではウロウロしないで歩いていける。
なんとか短い時間で、この間あきらめて帰った場所まできた。
さぁ、こっからだ。
少し歩くと、地下に下りる階段を見つけた。
さらに洞窟は暗くなり見える範囲も狭くなった。
でもモンスターはそんなに変わんないみたいだ。
暗闇の中に赤い箱が見える。
あっ、宝箱だ!!
初めての実際の宝箱に興奮する。
宝箱に駆け寄ってすぐに開いてみる。
“やくそう”がでてきた。
『ニノは“やくそう”を手に入れた』
少しいい気分になって、さらに歩を進める。
また、宝箱だ。
こんなにポンポン出てきて大丈夫かな~なんて思いながら開けたら、ひとくいばこ だった。
宝箱のモンスターは強かったハズ。
くらったー。
ひとくいばこ の会心の一撃。
赤信号が急激に俺の体の中で点滅する。
“やくそう”を口にする。
必死で戦って、“やくそう”をもう1個使ってようやく倒す。
宝箱の中からメダルがでてきた。
頑張った甲斐があった。
メダルをもらったところで“たいまつ”が燃え尽きた。
2個目の“たいまつ”に火をつける。
少し歩くと、また階段がある。
アイバさんのいる洞窟は、本当にここなのか?
つづく
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