前回、ビンゴゲームとコミュニケーション活動について普段思っていることをまとめました。

「ビンゴとコミュニケーション活動(言語活動)」

その趣旨は、コミュニケーション活動にビンゴを使うのは適切ではない、ということです。その考えは基本的に変わらないのですが、一方で、ビンゴにもいろいろあり、100%ダメとは言い切れないとも感じています。

前回(↑)は病気の名前を使ったビンゴの例を紹介しました。ここでは、クラス全員が病気という設定でしたが、実際は病気に罹っているわけではないので(本当なら大変)、言わば「ウソ」の状況でした。そのことも、活動がコミュニケーションからズレてしまった原因の一つだと思います。

もしビンゴで扱う内容が「本当」のことなら、ビンゴでもコミュニケーションの要素はある程度保たれるかもしれません。

例えば、canを使ったビンゴをよく目にします。ビンゴのマスには play baseball、sing English songs、swim well などがあり、Can you--? を使ってお互いに質問します。先ほどの病気の名前の場合と異なり、今回は自分自身のことを答えるので、そこにある種のコミュニケーションが生じると思います。

Can you play the piano? と聞いて、相手が Yes, I can. と答えれば、ゲームであったとしても、「へ~」とか「すごいね」という気持ちが生まれると思います。これは病気の名前の例とはだいぶ違うと思います。

基本的には、ビンゴはゲームなので、自分の予測があっているかどうかがポイントになるという点は病気の名前の場合と同じで、やはりコミュニケーションという点では問題があるのですが、canのケースの方が、コミュニケーションの度合いは高そうですね。

「コミュニケーション活動にビンゴは不適切!」と一蹴できないのかもしれません。難しいです。