this も that も小学校で学ぶ基本的な語です。英語をちょっとでも学んだ人ならわからない人はいないと言ってもいいくらいです。

しかし、本当に簡単でしょうか?

今回、this と that と「こ・そ・あ」の関係を考えてみたいと思います。「こ・そ・あ」は「こ・そ・あ・ど」の一部で、指示をあらわす形態素(と言っていいのかな?)です。「これ・それ・あれ・どれ」や「この・その・あの・どの」などの「指示代名詞」の形で使われます。「ど」は疑問の形です。

this は「これ」、that は「あれ」という訳語が与えられることが多いでしょう。これこれで問題ありませんね。

では、「それ」は?

「それ=it」という答えが出てきそうですが、it は話題の中で一度出てきたものを受ける代名詞で、目の前の具体物などを指す指示代名詞とは異なります。

「それ」は this なのでしょうか、that なのでしょうか。

その前に、「これ」「それ」「あれ」の意味の違いを確認する必要がありますね。

まず「れこ」と「あれ」を確認しましょう。簡単に言えば、

「これ」=話し手の近くのものなどを指す場合
「あれ」=話し手から遠いのものなどを指す場合

となります。では、「それ」はと言えば、、、、

「それ」=話し手よりも聞き手の近くにあるものなどを指す場合

となります。

では、これら3つと this と that の関係はと言えば、、、、

this=「これ」
that=「それ」「あれ」

となります。つまり、自分から近いか近くないかで this と that が区別されます。

何となく理解している学習者も多いと思います。小学生や中学生、あるいは高校生への「話のネタ」としてお役に立てば幸いです。