先日、県の中学生の英語弁論大会が開催されました。今回が第74回となる歴史ある大会ですが、2020年度はコロナのため中止となり、昨年の2021年は参加者がビデオにスピーチを録画して実施するという形式だったため、対面での開催は3年ぶりとなります。僭越ながら、今回も審査員を務めさせていただきました。

県内の予選を勝ち抜いてきた実力者が一堂に会する場となるため、毎回レベルの高い大会となっています。将来有望な若者の素晴らしい英語スピーチを拝聴できるので、毎年楽しみにしておりますが、その分、審査が大変です。実力は伯仲しているのですが、順位をつけなければなりません。心が痛みますが、役目ですので、時に心を鬼にしながら全力で臨んでおります。

今年は特にレベルが高かったように思います。特に発音が全体的に素晴らしく、日本人英語と思える発音はほぼ皆無でした。

本人の努力は言うまでもないのですが、この日までご指導に当たられた先生方に最大限の敬意を表したいと思います。

ただでさえお忙しい毎日の中でのご指導は大変だと思います。ただ、お若い先生には、もし英語弁論大会に出場したいという生徒さんがいれば、ぜひ指導をしていただきたいと思います。それは、生徒さんのためであることはもちろんですが、先生も英語教師として成長できると思うからです。

ふだんは忙しくて、生徒一人ひとりの英語にじっくりと向き合うことはなかなかできないと思います。

弁論大会の指導は、一人、あるいは二人くらいの少人数を指導することになります。彼等・彼女たちの英語に、発音、語彙、文法、ディスコースなど様々な視点からじっくりと向き合い、間違いを指摘し、よりよいスピーチを作り上げる過程は、通常の授業で、生徒の英語力を伸ばすうえで必ず役に立つと思います。

大会に参加する生徒さんの英語力が向上すると同時に先生も指導者として大きく成長できると思います。

先日、NHKの「プロフェッショナル」で田尻吾郎先生が出演されの回のDVDを久しぶりに拝見しました。その中で先生が生徒と一対一で向き合うことの大切さを述べておられました。

また、2003年にフジテレビで放送された『白い巨塔』のあるシーンで、医師としてどうあるべきか悩む医師の里見修二に対し、大先輩である大河内先生が、一つの症例に向き合うことの大切さを説き、「医師として僕は君の悩みを支持するよ」という場面がります。ここでも、一対一で向き合うことの大切さを述べています。

英語弁論大会(だけに限りませんが)は、英語の先生が成長できる機会としても、大きな意味があると感じました。