先日野田内閣が発足しました。私たちがかかわる教育行政のトップである文部科学大臣も中川正春氏になりました。前の文部科学副大臣です。


これについて、以前、別のブログで「文部(科学)大臣はただのステップか?」と書いたことがあるので、一部再掲し、書き足したいと思います。


(以下転載)


言うまでもないことだが、日本の行政は教育を軽視している。OECD加盟国中の教育費が最低レベルであることはずいぶんと知られるようになったが、歴代の文部(科学)大臣の顔ぶれを見ていると、同じ思いになる。


歴代の文部(科学)大臣は文部(科学)大臣の職をステップにしている例が多いことがわかる。つまり、将来を期待されている議員が初入閣をする場合、外務大臣や財務大臣では荷が重いから、文部科学大臣あたりで慣れておけ、という発想だろう。


過去の文部(科学)大臣の「その後」をwikipediaで追ってみた。すると、その後「ステップアップ」している人が非常に多いことがわかる。


奥野誠亮:文部大臣→法務大臣→国土庁長官

海部俊樹:文部大臣→内閣総理大臣

砂田重民:文部大臣→北海道開発庁長官兼沖縄開発庁長官

田中龍夫:文部大臣→自民党総務会長

森喜朗:文部大臣→通産大臣→建設大臣→総理大臣

松永光:文部大臣→通産大臣→大蔵大臣

塩川正十郎:文部大臣→官房長官→自治大臣→財務大臣

西岡武夫:文部大臣→自民党総務会長

保利耕輔:文部大臣→自治大臣→自民党政調会長

鳩山邦夫:文部大臣→労働大臣→法務大臣→総務大臣

森山真弓:文部大臣→法務大臣

与謝野馨:文部大臣→通産大臣→官房長官特命担当大臣(経済財政)→財務大臣

島村宣伸:文部大臣→農林水産大臣

町村信孝:文部科学大臣→外務大臣→内閣官房長官

中曽根弘文:文部科学大臣→外務大臣

大島理森:文部科学大臣→農林水産大臣→自民党国対委員長

河村建夫:文部科学大臣→内閣官房長官

中山成彬:文部科学大臣→国土交通大臣

伊吹文明:文部科学大臣→自民党幹事長→財務大臣

川端達雄:文部科学大臣→総務大臣

女性が入閣する場合も、「とりあえず文部(科学)大臣あたりから」という発想があるのではないだろうか。


もちろん、そうでない人もいるが、数は多くない。こういうのを見ると、結局、大臣ポストの使い回しなんだな、という印象を持つ。どうせ真剣にやる気はないのだろう、だったら、文部科学省の官僚のほうがずっと真剣なのではないかとさえ思えてくる。


(転載終わり)


私のような一般人には、大臣というのはその分野に精通している人物がなるものだとという認識があるのですが、上の例を見ると、かならずしもそうではない気がします。それとも、大臣になる人はどの分野にも精通した賢人なのでしょうか?


今回の野田内閣の大臣を決める時も、一部で「○○氏と△△氏の入閣が決まりました」という報道がありました。しかし、その時点では、どのポストになるかはまだ決まっていなかったと思います。ということは、まず誰が入閣するかを決めて、そのあとでポストを割り振るということでしょうか?私には到底理解できない決め方です。派閥争いで大臣ポストを奪い合っていた自民党時代とまったく同じです。大臣の仕事ってそんなものなのでしょうか?専門性は必要ないのでしょうか?


今回の中川氏は先日まで副大臣だったので、全くの素人というわけではないでしょう。期待したいところですが、いずれは「ステップ・アップ」していくのでしょうね、、、。