r > g | 老$の徒然草

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もうじき80歳、ブログはボケ防止の頭の体操
This blog is essays in idleness by Oidoru and a trivia expert monologue.      

水野和夫氏の「資本主義の終焉と歴史の危機」に続いて今度は、フランスの経済学者ピケティ氏が書いた新・資本論が世界的なベストラセーだという。
その解説書もいろいろ売り出されている。
今更経済学の難しい本を読む気はしないが、日仏会館で行われた講演がNETにあった。
その主張は、「資本主義には、格差を自然と生じさせる傾向がある。
何故なら、資本の利益率は全体的な経済成長率よりも高い、つまり、 r > g だからという。


国ごとの膨大な税務データから r > g を導き出したことが目新しいことらしい。
経済学の定説では収穫逓減の法則で資本が多いほど利益率が下がって格差も縮小する。
ピケティが学者から称賛されてる理由は過去の資料を収集分析して従来の理論が間違ってたことを示したからだとか。

古い資本論は、資本主義は破綻して革命が起きて理想社会が実現するとのご託宣だった。
しかし、先進国ではそんなことは起きず、ロシアと中国で革命が起きたものの理想の社会が出現したとはとても言えない。
むしろ、社会主義の非人間的な側面にみんなが懲り懲りした。

ピケティーは、 r > g によって現状分析に成功したかに見える。
勿論この主張に異論もある。
早速、読売新聞は、都合の良いデータだけで組み立てた暴論と切って捨てた。
国会ではこのピケティーを下敷きにした論戦が始まった。
読売新聞によれば、総理はそれに備えた的確な答弁をしたとエールを送っている。
今、朝日がピケティーを持ち出して何かを言っても只の便乗、ご都合主義と見られてしまう。
一方の、読売、こっちもヨイショしていればいいってもんじゃない、ジニ係数(所得のバラつき)も貧困率(貧困者の割合)も悪化したと自分で認めているんだから。

日銀の大胆な金融緩和で大企業の経営が良くなってきたのはいいこと。
大企業が駄目で中小が良くなるなんて逆転現象は起きっこないから。

グローバル経済でも格差の拡大に違いが出るのは、夫々の国で税制や労働政策が違うからである。
その結果、日本は、アメリカとヨーロッパの中間にあり、よりアメリカに接近しつつある。
しかし、そのアメリカは、経済成長を続けているから日本のような閉塞感はない。

よくあることだが、
右寄りの人は、経済には関心が薄く、軍備を増強すべきと言い、
左の人は、安全保障はどうでもいいから格差をなくせと言う、
どっちも、ごもっとも、どんな政府も経済も安全保障も両方やらなきゃならない。

アルゼンチンやギリシャの悲劇は、競争力がある産業が農業とか観光しかないこと。
その意味では、日本は自力のイノベーション能力がある。
ただ、残念ながらそれを独り占めできない、あるいは独り占めできる期間が短くなった。

ピケティーは、日本について、
日本のような低成長の国は過去に蓄積した資産が持てる者と持たざる者の差を広げると言っている。
つまり、経済が成長しなくても格差が拡大する、
ということは、もう少し成長率を高めるとか資産課税をやるしかない、
しかし、これは簡単に出来ることではない。

ピケティーが面白いことを言っていた。
日本のマルクス経済学は、とてもレベルが高かった、だから海外からも注目された。
確かに、日本の大学の経済学部では長い間、近経vsマル経に分れて覇を競っていた、
なのに、 r > g に気が付かなかったと言わんばかり。

本国フランスではピケティーは、それほど読まれていない。
米英と比べたら格差が小さいからだ。

 ◆規制しなければいけないのは、労働分野とか、危険ドラッグとか、
  もうほとんどやることが決まってしまったカジノみたいなもの。
  労働規制の緩和を少し逆回転させなければならないだろう。
  しかし、平蔵みたいな口達者に厚労省は論破されて切歯扼腕している。

 ◆一方、緩和すべきは、今もめている農協改革などの農林水産業関連。
  ⇒大規模化によらない地域分散型社会の構築。

この本、英語版の倍、5940円もする、ならばとEVA⇒ 
で、ひと稼ぎが、・・・叫び
貧乏人には罪深い本。

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