1週間前の5月30日に経団連会館で東北ILC推進協議会の主催の講演会があった。
たまたまそれをブログ/ILCの誘致はオリンピックと違う
で指摘されていた人の薦めで参加した。
基調講演 ILCとは 東京大学素粒子物理国際研究センター准教授 山下了
「ILCの実現による日本の再生と世界に開かれた地方都市の創造
」 日本創成会議座長
増田寛也
パネルディスカッション
「ILCを核とした科学技術創造立国と東北のポテンシャル」
<コーディネーター>東北大学客員教授・岩手大学客員教授 吉岡
正和
<パネラー>宮城県知事 村井嘉浩、岩手県知事 達増拓也
特定非営利活動法人PPP・PFI協会会長 大村虔一
㈱ベネッセホールディングス取締役副社長兼
ベルリッツコーポレーション名誉会長 内永ゆか子
主催:東北ILC推進協議会
共催:岩手県、宮城県、仙台市、東北大学、岩手大学、東北経済連
合会、
岩手県国際リニアコライダー推進協議会
後援:先端加速器科学技術推進協議会(AAA)
問合せ先:東北ILC推進協議会
http://www.tohoku-ilc.jp/
オリンピックと違ってILCは日本に決まりそう、それも濃厚らしい。
アメリカは、政権が変ると予算をつけなかった前科があって信用がない。
そのアメリカ自身が今回は、日本にやってもらいたいと。
財政危機にあえぐヨーロッパも日本にお願いねという。
日本のやることに何かとイチャモンをつける中韓連合は黙秘?
現在スイスにある円形の加速器では、素粒子物理学の次へのブレークスルーは難しいらしい。
しかし、日本だって自慢じゃないけど金がない。
約8000億円の半分はホスト国、つまり日本の負担になる。
所管は文科省、今の予算の中から400億円削って、向う10年間注ぎ込まねばならない。
更に、日本の候補地は東北と九州が争っている。
決まれば、世界100カ国から家族を含めて1万人が滞在する。
日本には、このような世界規模の研究拠点がないので、いろんな意味でやる価値はあるだろう。
反対意見は少数だが、素粒子物理学という限られた分野学問に、日本のお金があてにされている、そして去年ようなヒッグス粒子の発見があったとしても、その経済効果は何もないという。
お金のことを考えなければ、大震災の復興にからめて東北に設置されるのがいい。
長大な加速器は、奥州市から気仙沼の間の地下100mに建設され、中間点が一関・平泉町になる。
藤原氏三代が、あの世の浄土を現出させたところが世界遺産に指定され、この施設の中核研究所がその近くに出来る、ロマンあふれる話ではある。
世界唯一の研究施設、しかもその目指す研究が、宇宙の成り立ちや暗黒物質だの暗黒エネルギーだから、子供たちには夢を与えることになる。
河北新報が報じる最新の状況は、以下の通り。
岩手県南部の北上山地への超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致を目指す産学官組織「東北ILC推進協議会」は31日、文部科学省を訪れ、丹羽秀樹政務官に国内誘致の早期決定などを求める要望書を提出した。
要望したのは、推進協代表の里見進東北大総長、村井嘉浩宮城県知事、達増拓也岩手県知事、高橋宏明東北経済連合会会長ら。4月末の総会で採択した決議文を要望として提出した。
里見代表は「ILC建設が他国に決まった場合、日本の損失はお金に替えられないくらい大きい。国策として誘致を世界に表明してほしい」と求めた。
丹羽政務官は「ILCが東北の復興につながる鍵になれば良いと思っている。日本の強みである技術力や研究開発を忖度(そんたく)しながらしっかりと頑張っていきたい」と語った。
要望後、村井知事は「日本誘致を早期に意思決定してもらえるよう、しっかりとお願いができた。話題が出たころよりも、各省庁ともILCへの理解が相当深まっている」と手応えを語った。
推進協は同日、山本一太科学技術担当相、長島忠美復興庁政務官、ILCの建設推進議員連盟の河村建夫会長にも要望書を提出した。
ILC(国際リニアコライダー; International Linear Collider)計画は、全長約30kmの直線状の加速器をつくり、現在達成しうる最高エネルギーで電子と陽電子の衝突実験を行う計画です。宇宙初期に迫る高エネルギーの反応を作り出すことによって、宇宙創成の謎、時間と空間の謎、質量の謎に迫る。
ILC計画は、現在欧州CERN研究所で稼動しているLHCの次に実現するべき有力な大型基幹計画として、世界中の素粒子物理学者の意見が一致している計画。ILC計画を進めるために、アジア・欧州・米国の3極の素粒子物理学者による国際共同研究チームが作られ、日本の研究者も世界中の研究者と密接に協力しながら研究を進めている。
「街づくりのなかで雇用は創出されるし、最新鋭のハイテク技術が惜しみなく投入される。経済波及効果は投入した資金の3倍ぐらい、サッカーのW杯とかに匹敵すると言われてます。もしもILCが東北に根を下ろせば、『世界に拓かれた復興』なんてよく言いますけど……それが現実になる」
人類史上初の世界研究所。宇宙の謎に迫る知的な国際都市の誕生。実利実益を超越した、これほどまでに魅力的な復興プランがあるだろうか? 地中深くをひた奔る電子と陽電子の光明が、まさに「復興の灯火」となることを日本人として大いに期待しよう。


