ラジオ書き起こし「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」『なぜ人は幽霊が見えるのか』その5 | だからオイラはダメなんだ。
武田鉄矢のラジオ番組「今朝の三枚おろし」にて、興味深い本を紹介していたので、書き起こしてみる。

その本は、リチャード・ワイズマンの『なぜ人は幽霊が見えるのか』


4163749209超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
リチャード・ワイズマン 木村 博江
文藝春秋 2012-02-11

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【5日目】

心霊研究家トニー・コーネルさんの実験によります、彼は深夜、幽霊の姿をして道路脇・墓場…いかにも「出そう」という場所を選んで、どのくらいの人が幽霊を見て悲鳴を上げるか、という実験を行なったという。
で、道路脇・墓場に立つ事、夜明けまで。その間に90台の車、40台のバイク、12人の通行人が道路・墓場を通過。人数にして150~200人ぐらいの人が通過していった。
それで、幽霊の格好をして立っていたトニーさんに気付いた人、1人。

つまりね…中々目が合わないよ!
だから「心霊スポットであそこが出る」なんていう評判を作るためには、相当頑張って霊の方も立っとかないと!

本当に面白いんだけど「幽霊が出てもおかしくないぞ」って所をトニー・コーネルさんはわざわざ選んでるんだけど、そういう場所に立てば立つほど、あまりにも整いすぎてるから見破るんだって。何人もの人から「バカ」って言われてるんだって。「何やってんだこんな所で」とか「警察呼ぶぞ」とか「真面目にやれ」とか言われてるんだって。
で、「おかしな物を見た」ってのは、たった1人しかいない。

だから、いかに確率として「私は幽霊でございます」ってのが、相手に伝わるかっていう事の困難さだよね。これは面白い。

次行きますよ。
カナダ、ローレンシアン大学の神経心理学マイケル・パーシンガー博士が、頭蓋骨にヘッドギアを着けて、40秒間弱の磁場を発生させると、100人中80人以上の被験者が神秘体験をした、という。
『もしかすると、磁気の強弱が霊を発生させるのかもしれない』…この説も、脆くも崩れたんです。

実は磁場を発生させると、100人中80人の人が幽霊を見たり、幻の声が聞こえたりしたんですれども、全く同じ条件で「磁気を流します」って言って、スイッチを”入れない”。
それでも、100人中80人の人が、神秘体験をしたそうです。
全く磁気は関係なかったっていう。

つまり、その手の道具をして「何か見えますよ!」「神秘体験の確率が凄いんです」って言われると「おおっ!神秘体験!」みたいになっちゃう。
出た結論はと言いますと『期待した人はかなりの確率で霊が見える』『幽霊を見るためには磁気ではなく、思い込みの方が磁気より強い』っていうね。

これを今週の結論にしようかな。
アメリカのアーカンソー州の州立大学ジェシー・ベイム教授が、簡単なテストを2グループに分けた学生にやらせたそうです。
片方は非常に明るい教室でテスト。
片方は「この教室は昔から霊が出ることで有名だ」と、いかにもな雰囲気の教室でテストをやらせたんだそうです。
そして、テストをやるときに、カンニングが出来るような仕掛けを作っておいた。
そうすると、明るい教室でカンニングが簡単に出来る仕掛けがあると、みんなそれを利用しちゃて、パパッと書いちゃうんですって。
ところが、霊が出るぞって言われた教室で同じテストをやると、カンニングする確率が凄く低いんだって。
一種、良心のストッパーになってるんだと。
こういうのは、人間の本性だという感じがしません?

【来週へ続く】