ラジオ書き起こし「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」『なぜ人は幽霊が見えるのか』その4 | だからオイラはダメなんだ。
武田鉄矢のラジオ番組「今朝の三枚おろし」にて、興味深い本を紹介していたので、書き起こしてみる。

その本は、リチャード・ワイズマンの『なぜ人は幽霊が見えるのか』


4163749209超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
リチャード・ワイズマン 木村 博江
文藝春秋 2012-02-11

by G-Tools




【4日目】

1977年心臓病患者マリアさんが、心肺停止状態からまた再び息を吹き返した、その間に「幽体離脱」…生き身を離れて魂が病院の真上まで浮かび上がって、その病院に居ては見る事の出来ない屋根の上のテニスシューズを見てたっていうね、その事をソーシャルワーカーのキンバリーさんが発表して、1984年『体外離脱』という名前で一大センセーショナルを巻き起こしたんですね。

ただね、これもうオチがちゃんとあるんです。
1996年、カナダの3人の科学者が、マリアさんの発言が本当かどうか再チェックしてるんです。
マリアさんが心肺停止状態から息を吹き返す間、病棟を移動してるんです。
マリアさんが心肺停止状態に陥った病棟からテニスシューズは見えないんですが、違う病棟からはよく見えるんです。
だから、マリアさんは悪意は無いんですが「魂が浮き上がってテニスシューズを見た」とは言えないんです。違う病棟に行ってる時に薄く意識が蘇ってテニスシューズを目撃し、また昏睡状態に陥って治療が終わった後自分の病棟に戻ったとすれば、「魂が浮き上がってテニスシューズを見た」とは言えないんです。
そしてキンバリーさんが書いた、マリアさんの魂が浮き上がって目撃した物を、移動したストレッチャーで観察すると、全部見えるんですって。
だから、自分でも意識しないまでもやっぱり薄らと意識があったんではないかと。

ここからが不思議な所なんだけど『見る事の出来ない場所に放り投げられたテニスシューズを空中浮遊で見たという話』は否定されてるんだけど、何故か未だに使われ続けるのね。
ズバリ言うとね、好きなのよね。この話が。

この辺はどうも「なぜ幽霊が見えるのか」っていうよりも、ズバリ「幽霊をとにかく見たい」「不思議を見たい」「理屈が通らない話があるぞ」っていう方を、つい人間は選んでしまっている、と。そういう人間の傾向がある、と。

その次に面白いのは、俺も前々から思ってたんだけど…幽霊の本読んでたのよ。
あるノンフィクション…つまり、フィクションを一切書かないって女性の方がいて、その方がいわゆる幽霊話をいっぱい書いてる。
その時にフッと思ったんだけど、幽霊を見るって難しいよね。

モト冬樹のお兄さん…あの人怪談話好きのね。でね、田舎の旅館で寝てたら寝付けずに、両手をベッドの上で広げたら、明らかに右手に人の頭の上に手を置いてる感触がある。気持ち悪くて起きて見てみたら、ベッドと壁の隙間が何センチしかないぐらい狭い。でも手を置くと明らかに坊主頭の上に手を置いてる感触がある。
でも、よーく考えたら、幽霊がそこにいたとしてもいいよ。
ずーっといるんだよ?幽霊は。人が寝てる間、手伸ばしてくるの待って、びっくりするように。相当キツいと思わない?
「あそこの角を曲がった、フッと白い物が横切った!」…白い物横切ってもいいけど、そいつが来るまで、ジーッと待ってるんだよ?幽霊の方は。それも毎晩だよ?来るか来ないか分かんないのに、ジーッと待って「来たっ!」って言いながら横切るんだよ?本当に甲斐が無いじゃない。

それで、実験をやった人がいるのよ。
この実験は見事だと思うんだけど、トニー・コーネルさん。この人、心霊研究家なんだって。
この人が深夜、幽霊の姿で道路・墓場。この2ポイントを選んで、幽霊の格好をして立ってる。

【明日へ続く】