ラジオ書き起こし「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」『なぜ人は幽霊が見えるのか』その3 | だからオイラはダメなんだ。
武田鉄矢のラジオ番組「今朝の三枚おろし」にて、興味深い本を紹介していたので、書き起こしてみる。

その本は、リチャード・ワイズマンの『なぜ人は幽霊が見えるのか』


4163749209超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか
リチャード・ワイズマン 木村 博江
文藝春秋 2012-02-11

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【3日目】

いよいよ「神秘体験」ですね。
20世紀のアメリカで、ダンカン・マクドゥーガルという医者がいた。
この人は肺病で死んでいく人達を見送るうちに、魂の行方が気になり始めたんでしょうね、
受け持ちの死に掛かってる患者を、こっそりと産業用の天秤量りに乗せて、
生から死の瞬間…魂が抜け出る瞬間を秤で量れないか、魂の重さを量れないかを、
十何人ぐらいでやって、ついに魂の重さを見つけちゃうんです。
21グラムあったそうです。
彼は患者の死に立会い、平均で21グラム…これが生死の間で、パッと体重が変化する、軽くなっちゃうのを発見した。
「これは魂の重さに間違いない」ということで、1907年のニューヨークタイムズに『魂の重さ ついに発見 21グラム』の大見出しで載るんです。

で、ずーっと人間で実験やってんですけど、タイミング良く死なないから…やられる方はたまりませんけども、「人間の他にも魂があるはずだ」って、犬で実験やるんです。
それで、生きてる間と死んだ時の体重を比べて「どのくらい魂の重さがあるんだろうか?」と、何匹も何匹もやったんですけど、犬は変わらないんです。
それもニューヨークタイムズに『犬には魂は無い』って載っかっちゃうんですよ。

ところが、P・クラークさんって医者が「ちょっと乱暴じゃないか?」ということで、いろいろ調べると、
『肺で血液を冷やせなくなるために、急激に体温が上昇し発汗する。その間カッと熱くなる時に発汗する汗の量が、21グラムだった』んだって。

で、犬は何で体重が変わらないのか。
犬は汗腺が無いんで、口を閉じちゃうと犬の場合は汗が出ないので、死後も体の重さが変わらなかった、と。

『21グラムというのは、魂ではなくて汗の重さであった』という事で、魂の重さ調べブームは終わってしまった、という訳なんですね。

次の話行きますよ。
1977年4月の事、ワシントン州ハーバービュー病院の心臓病患者マリアさん。
この方は一時期心肺停止から息を吹き返し、その間にも記憶があったと言う事で、その話をソーシャルワーカーのキンバリー・クラークさんに語ります。

幽体離脱現象だったそうです。
マリアさんの体験は、彼女の魂が浮遊して病院の3階の窓の外枠まで上がって、テニスシューズが落ちているのを見る、その病院の屋根にあるテニスシューズは、彼女のいた病棟のどこからも見えないんです。
つまり、病院の中で心肺停止したマリアさんの魂がスーッと病院の屋上まで上がって、絶対に目にする事の出来ない病棟の屋根の上のテニスシューズを目撃してるんです。
これが大話題になるんです。
幽体離脱現象、いわゆる臨死体験ですな。

【明日へ続く】