2026年7月20日

延川和治

 

会社が倒産した。

突然、自分が行く場所が無くなった。 

給料が入らなくなる。 子供の学費も、生活費もどうするのか。 

 

まずは給料を得られる場所を探そう、どんな仕事でもいい。

まずは生活の維持が先決だ。

 

そんなとき

「自分のキャリアの目標、自分は何になりたいのか」、「何を成し遂げたいのか」などを

考えている余裕はないかもしれません。。

しかし、それでも私は思います、

「環境には柔軟に対応しても、キャリアの目標だけは、頑固に手放さない」でほしいと。

 

物事が常に流動的に変化する時代です。

AIの登場で、その変化のスピードはとても速くなっています。

変化する状況や環境に柔軟に対応しながら、目標にむかって進んでいく、その柔軟性は、キャリアの世界でも大きな強みになるはずです。 

 

ところが、ロルフ・ドベリ著世界的ベストセラー“Think clearly”には、この柔軟性を「不利・不適な対応」、「柔軟に対応し続けているうちに、いつのまにか、元々の目標を見失い、その結果気がついたときには、不平、不満、落胆のみが残る」との記載があります。

 

言われてみると、確かに私自身にも、「いつのまにか、元々の目標を見失っていた」という経験がある様に思います。

 

キャリアを歩んでいると、いろいろなことが起こります。

スタートアップしても失敗、挫折、会社に就職しても倒産、解雇、加えて経済的制約、家庭環境、年齢・加齢などなど。

自分ではどうしようもない環境変化に出会うこともあります。 

そんなとき、それまでと同じように進んでいくことはできません。

その変化に対応していかなければなりません。

いったん、自分の目標から離れざるを得ないこともありうるでしょう。

しかし、そこで大切なのは、「目標から離れることと、目標を失うことは違う」

ということではないでしょうか。

 

倒産した。

まずは生活のために、別の仕事に就く。

それは、キャリアの目標を諦めたこととは違います。

今は生活を守るために、別の道を歩いている、しかし、いつかまた目標に向って進む。

その意識だけは、どうか失わないでほしいと思います。

 

失敗をしたときと同じです。

自責の念にかられる。 

「この仕事は自分に向いていないのではないか」、「明日会社に行きたくない」、「もう退職しよう」、そんな負の感情スパイラルに入ってしまうことがあります。

そのようなときも、すぐに結論を出すのではなく、柔軟に取敢えずの対応を行い、

環境の変化の要因を広く理解し、今まで自分が積み重ねてきた実績を振り返り、自分の強みを再認識し、自信を取り戻す。

そして、ひとりで抱え込まず、周囲の方々にも相談する。

そのうえで、いろいろな選択肢のなかから、もう一度自分のキャリア目標に向える道を選択し、挑戦する。

 

環境には柔軟に対応する。しかし、目標は頑固に手放さない。

 

私は、これがキャリアを歩む上で、とても大切なことだと思います。

ビジネスエリートに共通する特徴として

“失敗から立ち直り、逆境を乗り越え、成長する。 そして長距離走を走るように、長い時間をかけてキャリアを築いていく“ということがいわれます。

キャリアは短距離走ではないと思います。

自分ではどうしようもない外的環境変化に出会ったりして

途中で道がかわることもあり、立ち止まることもあると思います。

それでも、「自分がどこに向いたいのかだけは、常に忘れない」

 

環境変化には柔軟に対応しながら、「キャリアの目標は、頑固なくらいに手放さない」

そんな姿勢で、御自身のキャリア目標の実現を目指していただきたいと思います。

 

応援します。

キャリアコンサルタントとして。

 

以上