2024年6月26日

延川和治

 

サードキャリアの目的・目標の、現実的な明確化は、正直なかなか難しいと思います。

 

「100年人生」と言われ始め、使われ始めているけれど、厚生労働省発表の2023年日本人平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳、二年連続減少との現実もあり、夢を追うことの大切さに合わせ、現実の地に足を付ける重要性も意識させられます。 現在70歳の男性であられるなら、平均的にはあと余命10年余です。 この時間の制約の中で、何を目的・目標にされるかです。

 

一方、健康で、興味があることができ、思う生活ができる経済力があり、他人との交流も、また活動を通して社会貢献もできる生き方を続ける、あるいは、改めて作っていける何かをすることを、サードキャリアでの目的・目標と、まず考えられることは、極く自然のことと理解をします。

 

厚生労働省の別の統計では、生活習慣病にかかっている日本人は7000万人を超えている(一人が一つの病気ベースの集計で、複数の病気を一人で罹っていることもあり、数字は実際より多いと思いますが)らしく、現在そのご苦労が始まっておられる方も、またこれから始まる方もかなりおられると想定、健康面で何らかの制約がこれから生まれてくる可能性も否定できないでしょう。 できれば、その制約がでてきたとしても、達成にむかえるような目的・目標を、これからの目的・目標とされていきたいのではないでしょうか。

 

自分が興味があることに、いままでかかわってこられ、それを引き続き行う事ができる方はまだ安心も、これから新たに始めようとするときには、そのスタートや、加速、展開への体力エネルギーの必要性を意識しておく必要があるのではと感じます。 ここにも目的・目標設定への制約の可能性がありそうです。 興味があることを行い充実したキャリアを過ごしている御自分の最終的な姿を、できるだけ明確化し、そこで必要とされているエネルギーと、今とこれからの御自分が持っておられるであろうエネルギーを前もって比較されておくのも、その設定目標へスタートを切るときの安心への一つの要素かも知れません。

 

他人との交流、それもいつも同じ他人ばかりではなく、いろいろな方々と新しい交流が始まることは、精神的にも、肉体的にも大きな刺激になり、ひいては活躍できる年齢の延長につながるように思います。 ご自身の身の回りの方々、またその方々の周りの方々、等々、仕事を通じて、プライベートでも、なにかの催しでも。いろいろな方々との接点を作り続けられることも、お考えの目的・目標のなかに折り込まれてみられてはいかがでしょうか。

 

残された時間が少なくなってきていることは、否定することができず、精神面でも体力面でも、マイナスのスパイラルに落ち込みそうなサードキャリアの方もいらっしゃるかも知れません。 それでも、ご自身をそこから引上げ、プラスのスパイラルに持って行くのは、やはり、ご自身の思いと意思と思います。

 

サードキャリアでは、これらいろいろな制約が、だんだんに増えてくると思えますが、それらにしっかり足を置き、ご自身の為し得られる、また、ご自身が満足し得る目的・目標に、どうか向かわれてください。

 

それらを為し得られたときの、御自分の様子を思い描きながら。

 

応援しています。

 

以上