友人知人に電話で連絡してもAB型マイナスは見つからず
バングラデシュにある献血ソサエティに片っ端から連絡したけれどそこでも見つからず

手術日はラーマン医師のご予定で決まっていますし、それまでに2人分の血液を確保しなければなりません。
その子の将来を思えば、あきらめる選択肢は始めからありません。
なんとしても、探さないと。

ただ、どんどん時間は過ぎていき、手術予定日の2日前になっても1人もドナーが見つからなかった時点で、最後の手段としてインターネットで呼びかけてみようと思いました。

良くも悪くも情報が浅く広く拡まるSNS、もしかしたら直接の知り合いじゃない方も目に留めてくれるかもしれない。

そうして…
ABマイナスの血液ドナーを見つけるため、一年以上ぶりにFBに投稿したのです。
団体の子の手術があるから、AB型マイナスの方がいたら是非ご協力いただきたい、と。

そうしたらなんと、投稿して30分で1人の方が名乗りをあげてくれました。
エクマットラのことを知っている、是非協力したい、と。

こんなに数日間探しても見つからなかったのに…
喜びと共に、なんだか狐につままれた気持ちでその方と連絡を取らせていただき、血液適合検査も含めて承諾をいただくことができました。

きっと2人目も今夜中に見つかる!
そうすれば明日中に血液適合検査をして、明後日手術を受けられる‼︎

そう、希望的観測が湧き上がるくらい1人目はスムーズに見つかりました。
が…2人目はそうはいかなくて。
深夜になっても決定的なドナーは見つからないまま、ついに朝になってしまいました。

ただ、朝を迎えた時の気分は、ピンチにも関わらず、感謝で溢れていました。
それは、私が夜に投稿してから朝になるまでの間、本当に沢山の方々が、沢山のメッセージをくださり…

こういう団体があるけど連絡してみた?
血液ドナーにかんして彼女と連絡をとってみて!
何か必要なサポートがあれば教えて!
と、協力してくださるものから
ABマイナスじゃなくてごめんなさい、見つかるように祈っています
という応援してくれるものまで…

本当に温かい、人様の善意。
それが、不安で仕方なかった私の胸にSNSを通じて流れ込んできて、心の隙間を埋めてくれたのです。

そして最終的には、赤十字社で働いている私たち夫婦のお姉さん的存在の方が血液バンクを紹介してくださり、前日までに2人分の血液を確保することができたのです。

ドナーさんの挙手やその方の紹介がなければ、絶対にAB型マイナスを2人分も確保することは出来なかったと思います。
そしてそれはSNSで呼びかけたからこそ、大勢に届いた声でもありました。

無事手術が成功したその子は、今、元気に回復に向かっています。

昨今ではSNSのネガティブな部分や悪意ばかり感じてしまいがちですが、
今回、確かにインターネットを通じて善意をいただき、それに背中を押され、1人の男の子の将来にとってプラスになることを皆さんと一緒に達成できた、そんな有難い経験となりました。