イスラム教には断食月という期間があります。

貧しい方々の気持ちを理解しより良い自分になるために、この期間は食べ物や水はもちろん自身の唾さえも飲み込んではいけないという厳しい決まりがあり、敬虔なイスラム教徒の方々は自分を律し、日の出から日の入りまで、断食を行います。

イスラム教の経典であるコーランには、子どもや老人、妊婦さんや病気の人は断食をする必要ないという言葉が書いてあるのですが、真面目なイスラム教徒の方々は断食を頑張る傾向があり、それは路上生活をしている子どもたちも同様です。

彼らは十分食べられない人々の気持ちは理解しているのだから、断食しなくてもよいのではないかと思うのですが、自身の信仰心を清めて悪い部分を直し、欲望を抑え意志を鍛錬する、そうした大切な目的が断食月にはあり、10歳以上の子どもたちはイスラム教徒であるという自覚や誇りのもと、朝から水も飲まず食べ物を食べずにに日没まで過ごします。

水ぐらい飲んでもいいのでは…と横から言いたくなってしまいますが、皆さん律義に水も唾も飲み込まずに過ごされています。
普段は元気でいたずらっ子な路上の子どもたちも、断食中はなるべくエネルギーを浪費しないよう屋根のあるモスクや建物の中で過ごします。


そんな子どもたちがせめて断食中も室内で楽しく過ごせるように、エクマットラとしても知育玩具を提供したり、工夫をしています。
4月中旬まで続く断食月、路上の子どもたちも無事に乗り切れるよう、見守りたいと思います。