とても報われる瞬間があったので…備忘録。

2月21の言語運動の記念日、
私たちの音楽ユニットBAJNA BEATは、毎年行われる各国代表パフォーマンスの日本代表として、昼はショヒド・ミナールと呼ばれる記念碑の前で、そして夜は国立芸術劇場の大ホールで、ステージに立たせていただきました。


この日はバングラデシュに住む数少ない外国人パフォーマーが集まり、この国のアーティストと共に母国語やベンガル語でのパフォーマンスを行います。


有り難いことに、私たちの音楽ユニットは毎年お声をかけていただいていて
毎回、どんなパフォーマンスをしたら
この日に相応しく、
観客の皆さんの心に触れることができるだろう…
と試行錯誤しながら、大勢の観客の前に立たせていただいています。




今回は、「小さな世界」を日本語、ベンガル語を含めた色々なバージョンで歌ったのですが、
歌の途中、客席から歌に合わせた手拍子と歓声が聞こえてきて、観客の皆さんも一体となって私たちの歌を楽しんでくれたのが伝わってきました。



また、その次に披露した「Ami Bangla gaan gai (わたしはベンガル語で歌を歌う)」は、外国人の私たちが歌うに相応しく、言語運動の記念日であるこの日にぴったりのベンガル語愛に溢れた歌の内容で、歌い終えた後は大歓声をいただきました。

この歌をあえてベンガル語で歌うことで、他の文化を尊重する日本ならではの姿勢も示せたのではないかと思います。




そして…最後に、私たちのオリジナル曲である「LIFE」を歌いました。
この歌には、「100年後の君へ」という副題がついていて、未来に生きる次世代へのメッセージ、そして現代を生きる私たちへの問いかけが込められています。

何故私たちは生きているのか
なんのために生きるのか

そんな普遍的な問いかけの答えを、私たちなりにこの歌に詰め込みました。


ライブを行う中で、客席との交流や化学変化は毎回あるのですが、この日…
歌いながら、確かに私たちの届けたい想いが観客に伝わっている、と確信できる瞬間が沢山あり

歌いながらどんどん心が満ち溢れてきて、同じ空間にいる皆さんと目に見えない心の交流、気持ちの溶け合いが感じられて、とても幸せな高揚感の中、歌い切ることができました。


嬉しかったのは、この日の観客の半分が学生さんや子どもたちで、みんな私たちのステージが終わった後にスタンディングオベーションをしてくれたこと。

それだけでなく、なんと
「歌でお返しがしたい」
ということで、その子どもたちが最近習ったという
「幸せなら手をたたこう」
を日本語で歌ってくれたのです。
それはそれは綺麗な日本語で。

私たちは、この言語運動の日に相応しくこれ以上ないくらいの突然のサプライズにびっくりやら嬉しいやら、もう舞台上で大興奮で…

舞台をはけたその後もしばらくドキドキがとまらないくらい、そんな
温かで、嬉しくて、愛しくて、キラキラ輝く
幸せな時間をいただきました。

いつも音楽を通じてこの国への愛を歌っている私たちですが、注ぐ愛はもちろん、いただく愛もこんなに素敵なものなのだなあと、
まさに心が「感じて」「動く」「感動」があったステージとなりました。

この国では予定通りにいかないことばかりで、それは音楽活動も同じで、一生懸命練習しても、努力しても普段は報われないことばかりですが

こうして報われる瞬間があるから…
人間て、頑張れるんだなあと

十代の時に演劇に救われて、大きくなったらステージに立つひとになると、舞台の神様に誓って心に決めてから
どれだけ沢山の出会いと、感動をいただいてきたんだろう。

改めて、努力してきて良かった。
続けてきて本当に良かった。

そうしみじみ思った1日でした。