この美しい光景がバングラデシュにあることを
どれほどの人が知っているのでしょう。

私はたまたま、昨年撮影に行き見ることができましたが
バングラデシュに住んでいても、ベンガル人の方も
直接見たことはない、という方がほとんどなのです。

それは、このマスタード畑が観光地化されているわけではなく
マスタードとして栽培され、時期が終わればすぐに収穫されてしまうため
その土地の人ではないと中々満開のマスタード畑の姿を知らないのです。

満開の時期は12月末。
特に外国の方は、忙しい年末にバングラデシュに来る方がほとんどいないのと
バングラデシュに住んでいる外国人は皆母国に帰ったり外国に出てしまうため
この美しい光景は知られていません。

実際に目の当たりにすると、
まるで色彩の魔法にかかったかのように辺り一面が神々しく黄金色に光輝いていて
中に入ろうものなら、まるで天国に来てしまったかのような感覚に陥ります。

ここはどこ…?
わたしはだれ…?

というかんじ。
マスタードを踏まないように、所々にある細い道を進んで中に入っていくのですが
そうして直に見るマスタード畑は本当に綺麗で、黄金のベンガルを語るにふさわしい壮麗な光景なのです。

私の黄金のベンガルよ 私はあなたを愛しています…

アジアの大詩人タゴールが創作したバングラデシュの国歌を
ダッカの渋滞や人々の喧騒の中で聞いてもピンときませんが
こうした農村の美しい光景の中で聞くと
ベンガル人ではないのに涙がでるくらい 心が揺さぶられます。

渋滞や人混みだけではなく、バングラデシュのこうした美しい光景も
もっともっと皆さんに知ってもらえますように。