バングラデシュに住んでいる日本人なら、必ず一度はお世話になっている「山形ダッカ友好総合病院院」。

その病院長であるエクラスール・ラーマン先生へ、日本とバングラデシュの医療分野における発展への貢献が評価され、日本政府より「旭日双光章(The Order of the Rising Sun,Gold and Silver Rays)」が
そして同じく山形病院に勤務されている日本人看護師の小林レイ子さんには「在外公館長表彰」が伊藤大使より授与されました。 
 
 
 
 
お知らせをラーマン先生とレイ子さんにいただいた時は、本当に本当に嬉しかったです。
私も例にもれず、ラーマン先生とレイ子さんには何度も助けていただきました。
 
住み始めた頃、水やスパイスが合わずに常にしんどかった頃、
出産後に赤ちゃんだった息子を抱えて体調を崩してしまった時、
毎月悩まされる貧血や検査が必要な時、そしてこのパンデミックの最中も…

日本水準の医療がこの国で受けられるということが、どんなに有り難かったか。
20年ここで暮らしている夫はなんと計7回、山形病院に入院していて、特に盲腸の時はラーマン先生に手術もしていただきました。私たち家族にとっての、恩人のような存在のお二人なのです。

ラーマン先生の慎重で丁寧な治療や説明、レイ子さんの優しいお心遣いや日本食、
お二人の「すべては患者さんのために」という真っ直ぐで純粋なお気持ちが
病に倒れた時には多大な支えとなりましたし、
元気な時も「もし何かあっても山形病院があるから大丈夫」という心強さとなっていました。

そんな敬愛するお二人の晴れ舞台にご招待いただき、表彰に立ち会わせていただけたのは、本当に嬉しく光栄な出来事でした。

 会場は日本国大使公邸。
授与式では、バングラデシュの在留邦人に対して日本基準の医療サービスを提供し、医療分野における日本とバングラデシュの関係強化に多大な貢献をしたラーマン先生に、我らが伊藤大使から心からの感謝と表彰状が贈られました。
「ラーマン先生の患者だった方!」
と伊藤大使が会場の参列者に呼びかけると、ほとんどの皆さんが挙手をされていて、会場は大きな笑いと温かい祝福ムードの拍手に包まれました。
 
ラーマン先生は1996年に山形大学大学院医学研究科博士課程を修了後、山形済生会病院で臨床研究員として勤務をされていたそうです。
日本の医療システム、特に患者さんへの治療の進め方や若い医師の教育方法に感銘を受け、1997年にダッカにご自身ので病院を開設し、日本基準の治療を提供しバングラデシュの医療界の改革を行っている本当に素晴らしいお医者さんなのです。
今現在も、日本人とバングラデシュ人医師の交流や、バングラデシュ人若手医師の研修などを通じて、バングラデシュの医療サービスの向上と能力強化に貢献されています。 
 
 今年2022年4月29日、日本政府からラーマン先生に勲章を授与することが決定されたそうなのですが、バングラデシュ人医師として功績が認められたこうした授与は初めてという、歴史的な授与式となりました。
 
 
 
 
そして、レイ子さん。
レイ子さんのことは、お姉さんのようなお母さんのような
本当に家族のように大切で近しいひとだと感じています。
 
大変な時に、いつも全力で味方になってくださり
健康な時も、子育てや人生の大先輩として、私の色々な相談にのってくださるレイ子さん。

レイ子さんのすごいところは、生涯現役の看護師として医療の現場に立ち続けられていることに加えて、なんとお墓も…バングラデシュでもう準備済みとのこと。
この授与式のスピーチでも、「心置きなく頑張れるように、ラーマン先生に頼んでイスラム教に改宗してこの国でお墓も用意してもらいました!」とお茶目に笑顔でおっしゃっていました。
まさに、骨を埋める覚悟…その優しいお姿に秘めた強い決意と情熱には、本当にいつも勇気と頑張る力をいただいています。

バングラデシュに訪れて、この国の魅力に魅せられて、この国の医療の発展に生涯を捧げると決めて、山形病院でボランティアとして看護師をされているレイ子さん。
私がバングラデシュで出会った、尊敬する大先輩のお一人です。

こうした方がきちんと日本国から認められ、表彰されるということが本当に本当に嬉しかったです。
ラーマン先生、レイ子さん、おめでとうございました…!!