先日バングラデシュの記者クラブで、ストリートチルドレンの出生証明書についての記者会見が開かれ、子どもたちのために活動をしているパートナー団体と共にエクマットラからは団体の代表であるシュボシシュ・ロイが登壇しました。

バングラデシュ開発研究所(BDIS)の調査によると現在ストリートチルドレンは国内で160万人ほどいて、その75%はダッカの路上で生活をしています。

そうした路上で生活をする多くの子どもたちには、日本で言うならば戸籍のような、この国で一番重要な身分証明書とされている出生証明書が発行されていない現実があります。

出生証明書がないと進学や就職などの妨げとなり、また生活する上でも必要な医療や福祉が受けられず、バングラデシュ国民としての当然の権利すら得ることができません。

シュボシシュはストリートチルドレンの声を代弁し、
「現在行われている出生証明書の登録はストリートチルドレンにとって不可能なものであり、路上にいる親や家がない子どもたちに関しては登録プロセスを簡素化すべきだ。」
と強く主張しました。

コロナの直接的、及び間接的な影響により、路上生活をする子どもたちの数は確実に増えました。
その結果、多くの子どもたちが児童労働や児童婚の危険にさらされています。

本来なら教育の場にいるべき年端もいかない子どもが、自身の出自が分からないために憲法で保障されている権利すら与えられず、麻薬売買や化学染料にまみれた危険な仕事に従事していたり、無理やり結婚させられそうになったりするのを、私たちは活動の中で何度も見てきました。

その度に憤懣遣る方無い思いになりますが、世の中を変えていくためには自ら声を出して発信していかなければということで、今回の記者会見を行いました。

エクマットラは今後も、直接的な子どもたちの支援活動を継続していくと共に、大きな範囲で周囲を巻き込んでいけるように、こうした政府や社会への提言を行っていきたいと思います。