今回のジュート・トレーニングは、バングラデシュにあるジュートワークスという会社に協力を要請し、トレーナーさんを派遣していただき行っています。

どうせトレーニングを受けるのならば、この国で一番のトレーナーさんと技術を。
それが私の長年の強い願いでした。





どの会社に聞いても、「バングラデシュでジュート製品の品質が一番高いのはジュートワークス」と皆さんおっしゃっていて、幸いなことにジュートワークスさんとは以前からお仕事を通じて良い関係性があり、昨年からずっと熱烈オファーを続けてきて、やっとこの3月にトレーナーさんたちのスケジュールを確保することができました。
人気のトレーナーさんたちなので、予定を確保することも一苦労なのです。

そして何よりも嬉しかったのは、ジュートワークスの名物女性ディレクターであるギティさんもトレーニングの初日に同行してくださったこと。


ギティさんはこの国の最高指導者であるシェイク・ハシナ首相から、特産品であるジュートへの取り組みが表彰され、ジュートアンバサダーとしてご活躍されている女性起業家として象徴的な方です。 





ご多忙の中、「あなたたちの工房の女性たちを少しでもモチベーションアップできれば」と駆けつけてくれました。
ギティさんが身に着けているお洋服もバッグも、ピアスやブレスレットも全てジュートで出来ていて、まさに全身でジュートアンバサダーを体現されています。





そしてトレーニングが始まる前、オープニングセッションで語りかけてくれたギティさんのお話は、私自身も大変感銘を受け、気持ちが動かされるものでした。

貧しかった幼少時代、一匹のお魚をみんなで一欠けらずつ分けて食べていたお話。
独立戦争後に何もなかった焼け野原で、ここで生き、この国と共に成長しようと誓ったお話。
この国を成長させるために産業を作る必要があり、仲間たちと立ち上がったお話。
それには、この国で収穫できる特産品であるジュートが相応しいと確信したお話。
会社を立ち上げて、100個のオーダーを取るために駆け回ったお話。
その100個のオーダーが、1000個、10000個と増え、10000000個のオーダーに増えるまでのお話。。。

それは、一個人のお話を飛び越え、もはやバングラデシュのジュート史と言っても過言ではないほど
この国の独立から、ギティさんたちがどんな経験と苦労を重ねて今のジュートワークスになったのか
壮大な手工芸に纏わる物語でした。

食べられない貧しさ。
生きられない貧しさ。

それを経験したことがあるからこその強さも、優しさも、ギティさんの言葉には込められていて
始めは緊張した面持ちだった女性たちも、話に引き込まれ、最後は自分自身の話のように感情移入してギティさんのお話を聞いていました。




 

その女性たちの共感とやる気が漲った表情を見た時、彼女たちのためにもこのトレーニングを絶対に成功させようと決意すると共に、
改めて素晴らしいチームとトレーナーの皆さんに、技術訓練をしていただく機会をいただいたことに感謝が込み上げてきました。

この工房からも、未来のジュートアンバサダーが生まれるかもしれない。
そんな可能性を信じて、ものつくりを学ぶ日々です。





来ていただいた御礼に、バングラデシュカラーのキラキラペンをプレゼントしました✨