日本からファーストアルバムのCDがやっと無事に私たちの手元に届いた時のこと。

実は二週間前くらいにバングラデシュの空港に着いたとOCSから連絡が入っていたのですが
それからずっと受け取れない日々が続いていました。

コロナ禍で検閲が厳しくなっていることや、昨年日から日バ間での荷物が全て開けられてしまうことなどを聞いていたので、時間はかかるのが当たり前だと色々な方から経験談を聞いてはいたのですが、無事に手にするまでは本当に不安な日々でした。

もしも開けられて中身を取られてしまったらどうしよう
イチャモンをつけられて全部没収されてしまったらどうしよう
もしかして粗雑に扱われてCDが割れてしまったら…

日本で配送をするときに、全く心配ではないことが
この国だと心底不安になります。
公共のサービスが整備されていないという意味では、やはりまだまだ途上国なのだと思います。

 

そして、やっとのやっとで届き、開封の瞬間。
ずっと会いたかった待ち人に会えたような、それはそれはときめき溢れる、喜びの時でした。
 

 

取り出してみると、何と素晴らしいジャパンクオリティ。
ケースが綺麗。
紙の質が良い。
そして印刷にまるでミスがない…!!
全てにおいてきちんとしていて、今まで8年いてもここでは紙の質や色合いに満足する印刷物に出会ったことがなかったので、それはもう大感激でした。

日本でCD製造にかかったプレス代。
日本から郵送していただいた郵送費。 
全てT's music さんが負担をしてくださいました。

この数年の間、終わりの見えないアルバム制作をずっと並走していただき
作品をCDという形にしたいという、私たちの意思を汲んでくださり
日本の素晴らしい技術でそれを実現してくださったこと。
本当に感謝の言葉がありません。

一体どうすれば、恩返しできるだろうと沢山考えましたが
やはり一人でも多くの方にこの音楽を聴いていただくこと。
これに尽きると思うのです。

 

またT'sさん以外にもバングラデシュの友人たちも長い間無償でこのアルバムに協力をしてくれました。
決して、暮らしが豊かなわけではない友人たちです。
私たちは、一人でも多くの方に聴いてもらえるように頑張って販売して、その売り上げをまたバングラデシュの音楽界に還元していければと考えています。

CDを手にしてからすぐに、私たちのレコーディングを担当してくれたショエブさんに会いにいきました。
ショエブさんはもう、私と水谷君の心から尊敬する、信頼できる仲間と言えるひとで
その責任感と、プロ意識と、音楽への溢れる愛にいつも私たちも刺激や力をもらってきました。
国境を越えて、そんな風に思える仲間と出会えたことは本当に幸運なことです。

CDを渡して、懐かしいスタジオで出来上がりを聞いている時、
寝る時間もない中で三人で長きに亘りレコーディングをしてきたこと、
沢山駄目だしをくれたこと、何度も録り直したこと、良いテイクを録れた時はみんなで喜んだこと…
色々なことが思い出されて、ただただ胸がいっぱいになりました。


ショエブさんがCDを聞き終えた後、私たちに沢山のメッセージをくれたのですがその中で
「二人がまるで子どものようにレコーディングの出来栄えに一喜一憂して、何度も練習して、録り直して、日本とのやりとりの中でもっと良くなるようにと努力する姿を見て、この作品のチームの意識の高さや満足せずに高みを目指す姿勢に学び、自分が関われたことを誇りに思う」
と言ってくれたのが、本当に嬉しくて涙が出ました。

日本のT'sさんのチームとショエブさんは会ったことはないけれど、私たちを介して本当にひとつのチームだったんだなと…
私たちも日バの素晴らしいクリエイターの皆さんと作品作りが出来たことを、本当に誇りに思っています。

そんな素晴らしいチームの皆さんの音楽愛と私たちのバングラ愛が詰まった、私たちのファーストアルバム『LIFE』。
いよいよ明日発売です!

まずは明日9月18日に日バでCD盤のアルバムが同時発売され、10月にはデジタル音源での配信が始まる予定です。
皆さんスマホをお持ちの今現在は、きっと電話にそのまま入れていつでも聞けるデジタル音源の方がフレンドリーだとは思うのですが
CD盤にはこちらも大切に作成した日バの歌詞カードブックがついているので、私たちとしては是非CD盤を手にしていただけたら、と思っています。

明日の午前中には、こちらで日本の販売サイトをご紹介させていただきますので、楽しみにしていてくださいね。