※この旅行記は、2007年に世界一周旅行をした時の日記を元に投稿しています。
再びバングラデシュのロックダウンにより通勤時間がなくなった分、一発奮起して旅行記ブログの再開をいたしました。
ロックダウン中も自宅で仕事はありますが、頑張って進めていこうと思いますので、またお付き合いいただければ嬉しいです。

過去の世界一周旅行記はこちらからご覧になれます。↓

 

 

 

四月二十四日

今日はマドリードからバルセロナに移動する日。
三日もいたから宿にもすっかり馴染んでしまい、わたしもちよみんも発つのがおっくうな感じに…。

 

駆け足でアジアから旅してきて、この街の陽気な明るさと幸せな空気にすっかり癒されてしまい

いつかここに住み着くのも良いかも、なんて気持ちさえ沸いてきている自分がいる。

色んな国や街をちょっとずつ見て回るのは目に楽しいけれど
消化する時間もやはり必要だったり、時間が経つと分かることもあり
もしまた旅に出る機会があれば、こんなに駆け足ではなくじっくりひとつの場所に居座ることもしてみたいと思う。

 

宿の食事スペースで朝食にホットサンドとコーンを食べていると、みんながコーンを不思議そうに見ている。
それは生ですか?と聞かれ、はい、というとWao!!と驚いている。
なぜだろう。。。こちらはコーンを生で食べないのかしら(笑)??

急ぎ食べ終えて、出発までは動画の更新。
カメラで撮った動画をパソコンに入れて、それをサイトにあげていく。
最早日課となったこの作業だけど、アップロード中にインターネットが途切れるとやり直しだし、動画を取り入れる作業にもなかなか時間がかかる。
カメラから直接動画をアップロードできたらいいのに…いつかそんなカメラができないかな。
(2007年当時、私の携帯はいわゆる折り畳み式のガラケーで、ハンディカムのようなカメラとパソコンで動画をアップしていたのです(笑)今はこの時思っていたようなスマホから直接写真や動画がアップできる便利な世の中になりました…BY2021年の私)

そしてバタバタとふたりで空港へ。
相変わらず、バッゲージがとてつもなく重い。。。
でも、身体が慣れてきたのか荷物が減っているからか、旅の始めよりは楽になったかも??

ヨーロッパは男性が本当に紳士的で、階段をふうふう言いながら重いバッゲージを引きずり降りていると、さっと親切なおじさまが来てひょいとバッゲージを下へ降ろしてくれた。

25キロはあるのに…すごい!

しかも御礼を伝えると、何も言わずに笑顔でウィンク(^_-)-☆

 

…お名前も知らない親切なお方、ありがとう。
マドリードの男性は世界に誇る紳士ですと、わたし日本で伝え回ります!

 

そして無事、イベリア航空でチェックイン。

「スペイン」「イベリア」で必然的にイベリコ豚が頭によぎってしまい、

二人とも「美味しいぶた、食べたいね…」と、イベリコ豚に想いを馳せながら…搭乗🤤

 

毎回大荷物を背負ってのチェックインまでの運動量が多すぎて、飛行機の中ではくたくたとなりうたた寝していたら、あっという間にバルセロナへ到着。
 

 




バルセロナはマドリードよりも温かくて、ヤシとか沢山生えていて
ここは南国!?っていうリゾート感が空港からして溢れている!

それに電車の無料チケットを大量に駅の入り口で笑顔のスタッフさんが配っていて、まさか本物じゃないよね、と思いつつも皆さんが手にプラットホームへ行くのでついて行ったら、電車も無料で乗れてしまう!
着いて早々、なんていい国なのでしょう。。。

バルセロナでのお目当ては…

何と言っても、天才建築家であるガウディ未完の大作、サグラダ・ファミリア!!
どきどきしながらその名もサグラダ・ファミリア駅を降りると…
目の前に、そのお姿が…!
 

実物のサグラダ・ファミリアは想像以上に巨大で、繊細で、荘厳で、もう大感動!!

 

もっと近くで見よう

と、駆け寄ったその時。

 

ガクン!!

と衝撃がして、なんとバッケージの車輪が飛んでいってしまうというアクシデントが…
まさかせっかくの歴史的建築物とのご対面の時にこんなことが起きるなんて(泣)

 

 

 

 

その後、車輪を探したけれどどこに飛んで行ったのか見つからず。。。
重いバッゲージは、動かない荷物となってしまいました。

私が途方に暮れていると、励ますようにちよみんが

「とにかく近くにチェックインしよう、ホテルまではどうにか運ぼう、また新しいバッゲージを探そうよ」

と、解決策を提案してくれて、近くの泊まれそうなホテルを見に行ってくれた。

 

こういう時に、本当に二人で良かったと思う。
これ、一人だったらどう乗り切っていたことか…。

そして頼れる相方に心から感謝した。


それから、ちよみんが探してきてくれたホテルはなんと
「ホテル サグラダ・ファミリア」!!
本物のサグラダ・ファミリアに後ろ髪惹かれながらも、そこは後でじっくり見るとして

ホテルまでは徒歩三分だったので、手伝ってもらいながらなんとか私の車輪なしバッゲージも運び込むことに成功。


間抜けな相方でごめんね、、、(トホホ)というと
こういうアクシデントがあるから、旅は面白いんだよ!

と笑顔で返してくれる。
お嫁さんにしたいナンバーワンです。。。😭

 

そしてお部屋にチェックインしてから、気分を変えて食事&バッゲージショッピングへ。


ここで…ひとつ奇跡が。


いや、これは私以外の方にとってどうでもよい、本当にどうでもよいお話なのだけど、私は自分自身の記録として日記に書こうと思う。

本当に狐につままれた気分になった不思議な出来事だったので。

 

美味しくてお手頃なお店ないかな~とホテル近辺を探していると、、、なんと。

目の前にに車輪が落ちているではありませんか!!

しゃ、車輪…
今日はやけに車輪の存在感がある日だなあ、と思い見過ごしそうになったけれど
よくよく見ると…私の!?

 

車輪が飛んでいったのはサグラダ・ファミリア駅前。

今はそこから3分ほど歩いたホテル近辺にいる私たち。
距離的に結構離れているのに、何故車輪が私の目の前に、再び…!?

ふたりとも目がキョトンとなり、しばし呆然としてしまったけれど
だんだん笑いがこみ上げてきて、最後は道端で大爆笑してしまった。
(バルセロナの皆さん、変な東洋人がいると思ったことでしょう、、、ごめんなさい)

 

誰かに蹴られて…?
車に引きずられて…?
はたまた犬が咥えてきて…?

 

理由は分からないけれど、吹っ飛んだ車輪が私のもとにまた戻ってきた!
なんだか車輪に意志があるような気がして、愛おしさすら覚えてしまい、結局車輪は抱きかかえて持ち帰ることに(笑)。

(この写真、ちょっと興奮具合いが若気の至り的なかんじで恥ずかしいのですが、一応車輪事件の証拠写真として載せておきます、、、(^^ゞ)



 

そんなこんなで
ご飯を食べ終えたら、辺りは暗くなっていたけれど

せっかくなので近くのガウディ建築群を見て回ることに。

 

バルセロナの街には、まるでオブジェのようにガウディの建築が散りばめられていて
私のような旅行者の観光スポットとして、そして街に住む人々にとっては日常を彩る景色として愛されている。

灯りに照らされたガウディ建築がある街は、まるでワンダーランドのよう。

 

 

 

 

こちらは有名なカサ・バトリョ。

昼間に見るガウディ建築の色彩も素晴らしいけど
夜に見ると更にファンタジック!

 

本当に魔法使いや妖精が住んでいて
ひょっこり顔を出しそうな…
そんな雰囲気。

 

 

                             

 

 

こちらはカサ・ミラ。
2年という長い年月をかけて作られた、ペレ・ミラさんという方の邸宅件集合住宅らしい。


集合住宅というと、綺麗な直線の窓が並んでいるイメージだけど、さすがガウディさん。
まるでさざ波のような優しい緩やかなカーブがそれぞれの窓を縁取っている。

この窓から見るバルセロナの街は、きっと明るい景色なんだろうな。

今の世の中にもいるのだろうか。

ガウディのように、設計図を描かずに建築を作り出す芸術家が。

 

自然の美しさをヒントとして沢山取り入れていたというガウディ。
確かに全ての建築において、自然界に存在する生物的な優しい曲線が特徴的で、
花や草や海のモチーフなど…色彩もデザインも本当に生命の喜びを感じるものばかり。
 

最高傑作と言われるサグラダ・ファミリアも
巨大な建築ながら威圧する感じは皆無で、聳え立っているのになんだかおいで~おいで~されているような、そんな温かみを感じる。

見ていると、吸い寄せられてしまう。

そんな楽しさ、温かさ、優しさといった明るいイメージの建築物を作るガウディの晩年のエピソードを知り、少し胸が切なくなった。

 

こんな偉大な唯一無二の建築物を作った人物なのに、晩年はこのサグラダ・ファミリアに全てをかけ、それ以外の仕事を断り、自身の財産も全てつぎ込んだために本当にお金のない質素な生活を送っていたという。
電車にはねられて亡くなられたという説も本当なのか分からないけれど…

 

今もこのサグラダ・ファミリア聖堂の下で眠り続けているというガウディさん。
人生をかけた作品の中で永眠されている今、安らかに幸せであることを願うばかり。

 

そんなことを思い眠りにつく、バルセロナの夜…。