ドゥルガプジャのスペシャルドラマ出演。

最後にドラマに出演したのが2年前。
最近はずっと、演技のお仕事をしていませんでした。

その理由のひとつが、わたしのところに来るオファーは、当たり前だけど「外国人の女の子」という役。

そして物語はいつも、バングラデシュの男性と恋愛に落ちて、、、

という同じようなものが多く
だいたい私の役は無邪気で頼りなく、バングラ人の男性に助けられる、というもの。

ドラマや映画のヒロインなんて、日本で演技を学んでいた頃から考えたらとても有難いお話ですし
始めのうちはこの国での新たな経験として良かったのですが

もう来て8年も経つのに

（そして私自身も年齢を重ねているのに(;^_^A）

いつまでも同じ物語、同じような役をやり続けるのもいかがなものか…という葛藤がありました。

ＮＧＯの仕事においては、昔と違い自分自身が責任を持って受け持っているプロジェクトもある中、

また今はＢＡＪＮＡ　ＢＥＡＴという自分たちの音楽ユニットの中で表現活動はできていて、魂を注ぎながら夜な夜な創作活動を行っている中、
更に不眠不休覚悟で撮影の仕事を引き受けるのには、それだけ納得できる作品に参加するべきだ、そう思うようになりました。

そんな中でいただいた今回のオファー。

悲しい過去を背負った女の子が、大学のクラスメイトのベンガル人の家族の元で人類学のリサーチのためにホームステイすることになり、イスラム教のバングラデシュで行われるヒンドゥー教のお祭り、「Durga Puja（ドゥルガプジャ）」を通じて、この国の文化や様々なハーモニー、家族の絆を知っていく…という物語で。

今年はきっと、多くの方が自分にとって本当に大切なものについて考えた年になったのではと思います。
私も、いつも胸にある日本の育ててくれた家族や結婚してから受け入れてくれた家族の皆さんのこと、

そして今は家族のようなバングラデシュの友人たちや子供たち、
そんな人生の大切な人たちとの関係性と共通したものがこの台本の中には描かれていて、今回は台本を読んですぐに出演したい、と思いました。

何よりも、こうして事前に台本を送ってくれたり、詳細なキャラクター設定がある役をいただいたのはこの国で初めてでした。

だいたいの現場には台本がなく、はいそこで喜んで、はい悲しそうな表情をして、と即興で監督さんから指示が出ます。

わたしが事前に役作りができるように、読みやすいようにと、ベンガル語の台本をすべて英語表記に直してくださったり、私からのリクエストに応えてリハーサルの日を設けていただいたり、監督さんと脚本家さんの誠実さに心を打たれました。

現場もスタッフ・キャストの皆さんにきちんと事前に医療検査があったり、撮影中も43度という猛暑の中で演者以外はマスク着用を徹底していて、この国の中でもとても信頼できる撮影チームの皆さんとお仕事ができたこと

撮影はかなり前に農村の田舎で行い、もちろんクーラーや扇風機もなく、体力的にはしんどい撮影でしたが
今は本当に引き受けてよかったと思っています。

日本人の女の子の視点から見た、バングラデシュの家族、ヒンドゥー教のお祭り、という新しい切り口ということで

このドラマの制作発表がされてから、たくさんの新聞やメディアに取り上げていただきました。

英語のものもありますが、ベンガル語がほとんどなのでここで共有するのも…と思ったのですが

私のこのブログは日本で日本語を学んでいるバングラデシュの子たちもよく読んでくれているようなので、お知らせしておきます。

放送は10月26日のプジャの最後の日。