四月一日

 

今朝は体調も回復し、すっきり目が覚める。
昨夜は動画の更新をアザットさんも手伝ってくれて、集中して溜まっていた動画を全て更新することができた。




寝たのは明け方だったけれど、気持ちもすっきりしたせいか八時前にはワクワクした気持ちで起きてしまった。
安心してぐっすり眠れた、ということも大きいのかな。
何かの本で、三谷幸喜さんが「ぐっすりは、グッドスリープからきていると思う」と書かれていたけれど、本当に久しぶりに心身共にgood sleepさせていただいたというかんじ。

それにしても、このホスピタリティ、この快適さで一泊600円て…
ペンションさくら、素晴らしい!!
身体の疲れがとれると、心も元気になるんだなあ。
体と心は繋がってるってほんとだ。
エジプト滞在はここを拠点にすることにする!!

ちよみんも回復したようで、朝二人でお話していると、黒いブルカという布を目深にかぶった女性が来て朝食を用意してくれる。
なんと…600円で朝食付き(泣)。物価の差があるとはいえ、外国人からはもう少しとってもいいんじゃないか。。。(;^ω^)

 

 


この女性は宿のハウスマザー的な方らしい。
イスラム教の女性は肌を露出してはいけないらしく、目元しか見えないがとても優しく瞳で微笑みかけてくれた。
朝食も、ふかふかのパンとポテトとエジプトティーという、病み上がりの胃には優しいもので本当にありがたかった。

 

9時ごろになると、徐々に宿の住人たちが起きてきて、ワラワラとリビングに集まりそれぞれ朝食を食べ始める。
ザ・共同生活というかんじでなんだか新鮮。
朝食を食べながらみんなと情報交換ができて、エジプトはかなり楽しい旅になりそうな予感がする!


そして…バックパッカーの学生さんたちの輪にさりげなく入っているけれど、もうアラサーな私たち(笑)。
「休学」とか「就活」という言葉がなんだか眩しいなぁ…。

皆さんから砂漠ツアーに行った話を聞いたら、ものすごーく行きたくなった!
「宇宙を感じる」体験なのだそうだ。
砂漠ツアー、楽しみすぎる!!

そして朝食を済ませると、アイさんというアラビア語を勉強しに来ている女の子が「ペロペロじじいのとこに行くけど行きますか??」と声をかけてくれる。


ペロペロじじぃ…??それは妖怪かなにかなのか。。。


一緒に見たい!と盛り上がって、ナイルヒルトンという綺麗なホテルに同行することに。
アイさんは関西の女の子で、シュールな笑いのセンスがきらりと光る。
もう二か月いるということで、カイロの街のことをいろいろ教えてくれた。
語学を学びにきている人は、慣れない海外生活で心身を病んでしまうことも多いらしく、あの宿には他から流れてきた学生さんも多いとか。
主さんという男性は六か月以上もいる人もいるらしい。
ペンションさくらが優良宿で、留学生の皆さんにいかに愛されているかがわかる。

「ペロペロじじい」とは異様に舌が長くて、切手をペロペロするおじさんだそうな。
空港では恥をかいたけれど、やはりエジプトにはまだ貼るものをペロペロする文化が残っているんだなあ。
それにしても、日本の女の子からそんな名前で呼ばれているなんて思いもよらないだろうな、と言うとアイさんとそのおじさんは仲良しで、「関西的に、オモロイあだ名つけて笑いのネタにしてあげるの、愛やねん。」と真面目な顔で言う。
そうか…愛なのか。


東京育ちのわたしからすると、なかなか分かりにくい愛情表現だけど、とにかくアイさんとおじさんが仲良しと聞いて安心した。

益々楽しみに行ってみると、アイさんが暇な日はよく観察に来るというその名物おじさまは残念ながらお休みだった。
代わりと言ってはなんだが、記念にホテル前の銅像と記念写真。

 

近くには、素敵な絵葉書や切手などのお店や骨董品店が並んでいて、気に入ったものをお土産に買ったり葉書を書いて出したり…有意義な時間を過ごすことができた。


 

近くには、素敵な絵葉書や切手などのお店や骨董品店が並んでいて、気に入ったものをお土産に買ったり葉書を書いて出したり…有意義な時間を過ごすことができた。

同じ暑い国でも、インドとエジプトは街歩きの印象が全然違う。
インドはアジア特有の、すべてが混じり合っている感じだったけれど
エジプトの街は思った以上に都会で、尚且つアラブ世界の風を感じる。



歩いていける距離にエジプト考古学博物館があると聞き、アイさんと別れてそのまま博物館へ向かうことに。
こうして予定を立てないぶらぶら歩きが本当に楽しいなあ。

ちょっと歩いたら、本当にすぐ見えてきた!

 

ピンク色の建物が可愛らしい。
ジャイプールのピンクシティを思い出す。

 

エジプトの式の石像がお出迎え。
こちらも本物の出土品。

スタッフさんたちもみんな優しく、エジプトは紳士が多い印象。
そして公共の場は撮影禁止の場所も多く、カメラを撮っていても止められてしまう。
空港、駅、軍関係の施設…など。

入り口のセキュリティチェックはなかなか厳しく、館内は撮影禁止と告げられる。
少し残念だが、撮影を忘れてのびのびと中を楽しもうと思う。

 

博物館に足を踏み入れて…その空気に胸が高鳴る。
古代から生きているかのような出土品たちが、息をしている。その空気。
子どもに戻ったかのように、胸がどきどきわくわくした。

石の壁画に壮大な宇宙観が描かれていて…好きだなあ。
この石の彫り物をヒエログラフといい、ここに文字や絵が描かれていることで古代エジプト文明が詳細まで解明され、現代にまで伝えられてこられた、ということらしい。
歴史や神話が石により刻まれ伝えられる…神秘的って、こういうことだ。

 

館内を見て回ると、古代エジプト文明がいかに豊かであったかがひしひしと伝わる。
10cmにも満たないクフ王の彫刻の、繊細なことか。
紀元前2500年の世界に、素晴らしい絵画が存在したことか。

これは人間の、世界の可能性を表している。
今のように贅沢な道具やテクノロジーがない中でも、人は石や木や自然からの色を使い芸術品とも呼べる作品を残しているのだ。

 

エジプト三大美女と呼ばれるネフェルティティの頭部像にも恐れ入った。
日本人から見た美人という顔の印象は多少違えど、その骨格とバランスは美人そのもので、世紀を越えて彼女が美しい人であったと証明していた。


そしていよいよ…二階にあるツタンカーメンの黄金のマスクの部屋へ。
黄金はひとの心を狂わせるというけれど…
部屋に入った途端、わたしもその輝きに、金の魅力に、魅せられ心奪われてしまった。
その昔、何よりも価値があったという黄金。
なんという贅沢なマスク。
そして月並みだけど、なんて美しいのだろう。
これは、まさに永遠の輝きだ。

黄金のマスクを見た後は、二人とも金の輝きにあてられてほや~と、しばらく脳が放心…放脳??状態だった。
撮影禁止なのは、納得。
あれはぜひ、生の眼に焼き付けるべく価値のあるものだ。

入場料はエジプトのお金で150ポンド、日本円で1000円くらい?で見応えたっぷりのエジプト考古学博物館。
もう胸も頭もいっぱいで今日は出てきたけれど、時間が許すなら滞在中にもう一度行きたいくらいの満足度。


収蔵品は20万点を超えるらしく、説明を読みながら進んだらまる一日かかるくらいの展示数で、ひとつひとつが古代文明の香りを残していて、本当に抱きしめたくなるくらい魅力的だった。
改めて、古代エジプト文明の偉大さがわかる、タイムスリップ体験!


 

夢中で閉館の17時まで見ていたらお腹が空いてしまった。
エジプトの道には、日本では見たことがないようなものがいっぱい。

ブルカをかぶったイスラム教の女性、ドーン!と豪快に外に吊られたワイルドなソーセージや。。。
 

 

 

手掴み取り放題!?のような可愛いキャンディーショップも。

 

 

 

こちらは、高く積み上げられた揚げ物(笑)。
なんて料理なのかと聞いたら、ラップにくるんで食べるシュワルマというファーストフードらしい。

 

 

ふらふら歩きながら、エジプトの名物は「コシャリ」という食べ物だと聞き、コシャリが美味しいというお店へ。
民に愛されているローカルフードで、なんとお値段一杯40円!!安い!!
まかない食として、残り物や揚げカスをミックスして作って出していたところ、あまりに美味しいので世の中に広まったと聞く。
中には、お米、マカロニ、挙げた玉ねぎやお豆、トマトソースが入っていて、がしゃがしゃ混ぜながら豪快に食べると本当に美味しい!
エジプト滞在中、毎日この40円のコシャリでいいね(#^.^#)と、ちよみんとふたりでペロリと平らげる。

 

今日はずっと、ただふらふら街歩きをしていただけだったけど、エジプトには文明とアラビア語に基ついた独特の空気がどこでも流れていて、この一日でエジプトが大好きになった。
明日はピラミッド、そのあとはバフレイヤ砂漠を横断する旅。。。
楽しみなことが多すぎて、でも今日受けた刺激もまだ自分の中で消化できていなくて、心身がなんだか浮いているような感じ。
 

今までは疲れ果てて宿に帰ることが多かったけど、明るくて優しいエザットさんに会えると思うと、宿に帰る足取りも軽く、夜の時間も楽しみだった。

 

 

ちよみんと、エザットさんと、手の平比べ。
大きい!!

 

 

試しに腕相撲を。。。
もちろん勝てるはずもなく(笑)。
エザットさん余裕の表情。

 

 

 

 

こんな怪しいサングラスも、エザットさんがするとラブリーです。
夜は、宿の住人たちとワイワイ旅の話をするのが恒例となっていて、私たちも香港・マカオ・インドでの経験をシェアしたり…

旅は異国でもらった刺激や感情を自分自身の中に取り込むことが多いけれど、こうして誰かに話すことで自分の中でも明確になったり具体化されて、あやふやな記憶が事実として残る気がしてよいなと思った。

 

そして今日はエイプリルフール。
ちよみんと、せっかく世界一周中だから日本に向けてお茶目な嘘をつきたいね、と画策する。
でも危ない系のものはみんなを心配させてしまうし、なかなか難しくて
それでもどうしても何か書きたかった私たちは、
「ヨルダンの乗り継ぎ中に石油王に偶然会い、豪華なお食事をフルコースでご馳走になった。」
と、ロイヤルヨルダンの思い出をちょっぴりゴージャスな誰も傷付かない嘘にして、ブログを更新。
あのホテルの写真つきだから、きっと信憑性は抜群だし、みんな信じてくれるかな…??

と、日本のみんなの反応と、明日のピラミッド行きが楽しみで仕方ない。


もうわくわくが止まらなくて笑顔で眠りにつく、そんな十日目の夜。



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エジプトはインドから一転、出会う人が宿の人も道で会う人も全て良い方々ばかりでどこにいって何をしても楽しかったのを覚えています。
国を知るのに、現地の方の存在は重要で、要は国のイメージって人のイメージで決まるんだなあと思いました。
良い人と出会えれば、良いイメージになるし。
どんなに素敵な場所でも、悪い人に出会えば悪いイメージになるし。
だからこそ、自分が日本に帰ったら困っている外国の方には親切にしてあげなければと、この旅の最中いつも思っていました。

 

そして、今読み返すと、なんであんなにエイプリルフールが大切だったのか、嘘をつきたかったのか全然理解できないのですが(;^_^A
若気の至りですかね。。。
そんなことも含めて、全てが懐かしいです。