日に日に拡大する新型ウィルスの感染。
こちらでも昨日3人の感染者が確認され国が大騒ぎになっていますが、日本の休校や卒業式の中止、またそれぞれの職種の方々の悲鳴や買い占めなどの悲しいニュースも目にし、今後どうなっていくのか心配しながら
日本、そして世界のニュースを毎日こちらでも見ております。

オリンピック・パラリンピック開催という大きな希望を掲げて
年が明けたのが三か月前。
たったの三か月でこうも状況が変わってしまうなんて…
何かが起きるときの時間の流れ、そうだ、そうだった、という感覚を思い出しています。

 

そして多分今、海外に住む多くの日本人が同じような思いをしているのだと思いますが
ニュースで日本でも感染者が増えていることを聞いてか
この世界屈指の親日国であるバングラデシュでも道を歩いてると、
「コロナヴァイラス!」と言われたり
Uberやバスに乗ると嫌な顔をされたり

避けられたり追いやられたり…
いわゆるコロナ差別を受けることがあります。

もちろん一部の、どの国にもいる心ない人たちが言っているだけで
仕事仲間や友達は私たちと同じように日本や世界のことを心配し
励ましてくれたり、そうした輩から守ってくれたりしてくれています。

ただ最近、そうした差別に遭う度に思うのは
いかに私たちは、今まで日本人ということでどこに行っても優遇されてきたかということ。


いくらコロナと言われても、私自身の中には日本人としての誇りが確固としてあるため傷付くこともないですし
実際にこの国の方々もウィルスという目に見えないものへの不安が「攻撃は最大の防御」という行動に一時的に繋がってしまっているのだと理解もできますが


生まれた時から理由もなく白い目で見られたり避けられたり…
民族的や宗教的になど自分ではどうすることもできない理由で
こんな風に日々謂れなき差別を受け続けている方々はどんなに辛いだろうと


恥ずかしながら、自分がその立場になったり同じような思いをして
初めて具体的に想いを馳せるようになりました。

 

 

先日、言語運動の記念日に各国代表パフォーマンスがあり参加した時に、この地に住む外国人の私たちに対してバングラデシュの芸術学院の館長さんが


「わたしたちの国は、世界でひとつ

 母国語を守るために独立した歴史を持つ国。
 自分の大切なものを奪われたり傷つけられたりする痛みを

 わたしたちは知っている。
 世界は今新たな脅威に脅かされていますが、こんな時こそ

 わたしたちはお互いの大切なものを尊重し合わなければいけません。

 大変な状況ですが、あなたたちはどんな時も母国を大切に、誇りに思い続けてください。

 わたしたちもその想いに賛同します。」

 

という素晴らしいスピーチをしてくださり、胸が熱くなりました。


世界中の皆がこんな時だからこそこんな風に思えたら…
本当に素敵なことだと思います。



今は自分にできる予防をして
無意味な攻撃や、必要以上の買い占めをせずに
今もきっと不眠不休で研究を続けてくれている
現代の医療の進歩を信じて待つしか
私たちにできることはないと思いますが

こんな時だからこそ、人間だからできる思いやりの心を大切に
労わり合いながら、支えながら
普段読まない本を読んでみたり、話さないようなことを家族や友人と話してみたりして
この危機を乗り切れるよう頑張ろうと
本日職場のスタッフや子どもたちとお話をしました。

先が見えない不安は心を暗くしますが…


どんな状況でも、わたしたちは生きていかなければならないから
ちゃんと寝て、ちゃんと食べて。
普通の生活を皆さんが送れることを心から祈っています。
日本でも世界でも、早くこの事態が収束しますように。