わたしは20歳くらいの時に、LaLaLuという
音楽制作会社のT's musicさんがプロデュースする
パフォーマンスグループに所属していました。

 

当時わたしは劇団員で演劇をしていましたが
歌手の子、声優の子、音楽家の子…と、様々な夢を持った
女の子たちがいるおもちゃ箱のようなグループでした。

愛に溢れた家族のようなスタッフさんたち
毎日のように練習やライブで時間を過ごした姉妹のようなメンバー
そして温かくて優しいファンの皆さんたち。

高校を卒業してすぐに劇団に入団し、稽古とバイトに明け暮れていたわたしにとって
LaLaLuで過ごす時間は、スタッフさんたちに守られて素敵な衣装をいただき輝く場所を与えられる、
本当に夢のように楽しい青春時代でした。

 

 

 

あれから約20年が経ち…


メンバーはぞれぞれ結婚したり、自分の道を進んでいて
みんなともT'sさんとも、バングラに来た後もたまには連絡をとったりをしていましたが


バングラデシュで音楽活動を始めたおかげで…
今、また あの時にお世話になったT'sさんと一緒に

楽曲制作ができています。

この奇跡のような感謝を、どんな言葉にしたらよいのでしょう。

始まりは、こちらで音楽ユニットを始めて3年ということで

今までの集大成として自分たちの伝えたいメッセージを、単独ライブ、そしてアルバムとして形にしたい、というところからでした。
基本、作詞作曲も私とメンバーの水谷君のふたりで行っていますが、その歌をアルバムに収録する際には編曲をしなければなりません。
いつものライブのように、ピアノ一本で歌うアコースティックアルバムもよいなと思ったのですが
どうせ作品をつくるのなら、日本の技術やクオリティが入った新しい音楽をこのバングラデシュの方々に届けたい、
と思っていました。

そして今年一時帰国した際に、本当に何年ぶりに、T's musicさんに訪問させていただき

外国人だからこそ感じる、この国の魅力を音楽を通じて伝えたい
バングラデシュの子どもたち、農村の方々、みなさんに新しいエンターテイメントを届けたい

そうした今の自分たちの音楽活動への想いをお伝えしたところ
社長の原太郎さんが、アルバム制作へのご協力を了承してくださり、私たちにはありがたすぎる、精鋭チームの皆さんが編曲を担当してくださることになりました。


バングラデシュでは、著作権というものがまだ存在せず、
アーティストたちは印税をもらえるわけでもなく、歌はユーチューブやSNSで無料で聞かれるのが主流です。
歌手はイベント出演しか収入がなく、先日お会いした有名な作詞家の方は
「400個もぼくは曲を作って、どれも有名な歌ばかりだけど、それに関してのお金は一切もらってないんだよ」
と苦笑いをされていました。


T'sさんの皆さんにご協力していただいても、アルバムでどれくらい利益が出せるか、全くわからないのですが、、、と話した時も、


「まあいいから、とにかく良いものをつくってみようよ!
バングラデシュの子どもたちのために、できることは協力するから!」


と、昔と変わらぬ笑顔で快諾をしてくれた太郎さん。
そして、LaLaLuの時に私たちの楽曲を作詞作曲してくれていて、本当の妹のようにわたしのことを可愛がってくれた優美さんという大好きなお姉さんにも、何年ぶりにお会いすることができました。
相変わらず、優しくて美しい笑顔に触れて、嬉しかったなあ。
LaLaLuの時代からお世話になったスタッフさんたちもいらっしゃって、それに今回本当に素晴らしい音楽家の方々との出会いもあって。

あの時のご縁が、また今こうしてバングラデシュに繋がり
音楽を通じてみんなの想いを届けられることの喜び。

一曲、LaLaLuの時の楽曲をぜひベンガル語にしてアルバムに入れたいと私からリクエストさせていただき
T'sさんとの共同制作の第一弾として編曲が出来上がったのは
あの時、一番最後の解散直前にいただいた楽曲 「証」 という曲でした。

 

 

そう 溢れる思いは つきないよね 
生きてる証を 伝えよう響けよ My Life


さあ 旅立とう未来へ 君とならば 
まっすぐな道を 歩いてゆけるだろう…

 

 

聴けば聴くほど
今の自分の心境と、この地で歌う中でぴったりの歌で…
この歌を作曲家の皆さんにBajnaBeat用に新しく編曲していただき

昔の証もみんなとの思い出が詰まった大事な曲でしたが
新しくいただいた曲は、イントロから光が差していくような
新しい未来が開けていくような、そんな最高に素敵なアレンジで
日本から送られてきた音源を聞いて、胸がいっぱいになりました。。。

日本で、皆さんが忙しいご自身のお仕事の合間を縫って睡眠を削って、つくってくださった新しい「証」。


偶然にもベンガル語で空を意味する Akash という言葉があり、
歌の名前を変えたくなくて、ベンガル語バージョンの名前も
Akashにeをつけた「Akashe」(空へ)という名前に決めました。

Cholo ureberai dana mele oi dur akashe...
さあ 飛び立とう 翼広げ 遥かなる空へ

日本語歌詞の中にある、君と僕の絆、夢、挑戦、未来…
そんなテーマを大切にしたまま、ベンガル語バージョンを完成させていきたいと思います!