昨日から始まった五大陸交流祭。

まだ2日目なのに、通訳をしていて
何度も何度も、込み上げてくる想いや涙が溢れそうになる、必死で我慢しなければならない瞬間があります。




ナイムの自己紹介を通訳して
彼の生い立ち、彼の過去、彼の孤独を改めて聞いて
彼がここにいることが奇跡だ、と思いました。

正確に言うと、日本にいるのはもちろん、その環境で彼がこんなにも好青年と成長してここにいることが、本当に奇跡だ、と。



夫や私が知る前のナイム。
両親が早くに亡くなられたことも、
家族が誰もいなかったことも、
2歳で病院から放り出されたことも‥
その後10歳まで路上に住んでいたことも
もちろん知っていたし
以前過去の話も何度かしましたが

基本、今は彼らが自分から話したがらなければ、私の方から過去の話を聞くことはあまりありません。
でも改めて

路上にいた頃は、2、3日食べないのは当たり前だった
学校に行く子たちを見てすごく羨ましかった
親に可愛がられている子たちを見ると、なぜ自分にはお母さんとお父さんがいないんだろうと悲しかった
友だちが深刻な病気になった時に、彼がいなくなったら悲しむ家族がいるから、自分がなれば良かった、と思ったりした。

だって自分には、悲しんでくれる家族はいないから‥。

というような話を聞いて。
いつも優しく穏やかな彼が、過去に遡り、自分の過去を曝け出しながら、ストリートチルドレンというバングラデシュに今も存在する社会問題を伝える姿。

そして、エクマットラとの出会い。
夫へ、スタッフたちへ、
今の自分にしてくれたことをどれだけ感謝しているか
またエクマットラの兄妹たちがどれだけ愛すべき存在かを
交流祭の参加者の皆さんに力説している姿。

どの姿も一生懸命すぎて、情熱も悲しみも、言葉と共に入り込んでくるから
時に感情がシンクロしすぎてしまうのですが

主役のナイムが泣いていないのに、私が泣くわけにはいきません。
なんとか彼の感情が伝わるよう、でも彼の感情の邪魔にならないよう、私も必死に通訳しております。





そして毎日様々なワークショップを経て、少しずつ変化し、成長していく子供たち。
 
この姿がそばで見られて、私は本当にこの交流祭に参加できてよかったと
2日目にして実家しております。

ナイムはもちろん、私自身もたくさんのものを吸収して、バングラデシュに持ち帰りたいと思います!