最近、とても嬉しかったことがありました。


ダッカ大学でベンガル語でのディベートコンペティションがあり、

わたしは外国人部門として「わたしの国の美しさ」というテーマで

お話する機会をいただいたのです。





ずっと、結婚してバングラデシュに住むと決めた時から

わたしは日本とバングラデシュの架け橋になれるような

そんな人になりたいと思ってきました。


わたしの大好きな母国である日本、そして

わたしに第二の人生を歩む機会を与えてくれたバングラデシュ…

わたしの大切なこの二つの国それぞれに

それぞれの良いところを伝え知ってもらう

そういう活動をしたいと思っていました。


でも実際暮らし始めると…

異国の暮らしに慣れるのに、言語を覚えるのに、

色々なことを受け入れるのに 本当に目まぐるしく毎日が過ぎてしまい

一日にやるべきことが終わらずにばたばたと過ごす日々で、、、

最近は特に、目の前のことをなんとかするのに精いっぱいで 

当初の志はいつも心に持ちつつも、なかなかそういった機会を得られずにいました。





お話をいただいた時は、え!ディベート!!私にできるかな!?

と思いましたが

テーマが「わたしの国の美しさ」と聞いてすぐに快諾しました。

まさに、わたしがずっと願っていたことだからです。



スピーチを考えている時は、とても幸せな時間でした。

日本の美しさ、と聞いて浮かぶものがたくさんありすぎて、、、


春に散りゆく桜たち、夏の青空を背に佇む富士山、

秋の紅葉、冬の雪景色…

今は見ることが叶わない 四季折々の自然の移り変わり。

小さい頃から当たり前に見て育ってきたけれど

私たちはなんて美しい彩のある国で育ったのでしょう。

そして何より、それらを見て「美しい」と深く感じられる心、感受性が

私たちにはある。





そう、改めて考えてみると 

日本には四季の美しさや文化的な目に見える美しさはもちろんのこと


神道という日本土着の信仰があること、仏教のこと、

そうした信仰以外にも他を思いやり感謝を持つ心、

仁・義・礼・智・信・忠・誠 を基本とした武士道精神など

日本と言う土壌だからこそ培われてきた日本人独特の伝統的精神が

確かにあり…それは目に見えないけれど、

世界に誇るべき日本の美しさだと思いました。



わたしは特に「礼」という考え方が好きです。

他人に対する思いやりを目に見える形で表す・・・

それは相手がどんな立場の人であっても、究極には動物・植物にも

自分が生かされている世界の一部として礼を尽くす、という姿勢。

そういった、人が生きていく上での美しさ、美学が

日本の伝統的精神には詰まっています。


今回バングラの人々にそれらを伝えるにあたり、

自分の日頃の勉強不足を痛感し 海外で活動する者こそ

愛をもって、自国のことをきちんと知り学ばなければと思いました。

自分の国のことをきちんと知らない、語れないのは恥ずかしいことだなあと、、、

なんとなくの知識が多いわたしはしみじみ感じたのでした。





当日の観客は元気な子供たち・学生さんたちで、

わたしの一言一言にキラキラした瞳で

うなずきながら反応しながら聞いてくれて・・・

とてもとても嬉しかったです。

あまりに反応が良いので、わたしももっともっと伝えたくなってしまい

かなり長いスピーチになってしまいました(笑)

でも本当に嬉しかった!!

他にもネパール、モルディブ、エジプトなどのスピーチもあり

それぞれの国の美しさが知れてとても有意義な時間でした。

これからもこういう機会をこちらでどんどん作っていきたいと思います!


それにしても、こちらの学生さんたちのディベートの威力に度肝を抜かされました。。。

みんなね、息つく暇もなく身振り手振りで、政治家顔負けのスピーチ力!

ベンガル人の議論好き、おしゃべり好きな国民性もあると思いますが、

こんなに若い頃から自分の意見を言う場を与えられ、練習しているなんて!


この国の若い世代の頼もしさを感じられた一日でもありました。





そんな若い世代の新しいともだちもできました!

タスミアちゃん、というダッカ大学の日本語専攻で学んでいる女の子です。

日本語でしゃべりかけてくれて、日本の文化が大好きだと言ってくれて、、、日本のこと、たくさんおしゃべりできました。

今度和食を作ってごちそうする約束をしました!

ともだちが増えるのはいくつになっても嬉しいものです(*^_^*)