大塚麻恵「まえを向いて歩こう!~涙がこぼれてもいいんじゃない♪~」by Ameba-090619_153214.jpg

 

私の大好きなお花 紫陽花キラキラ

 

 

しかしながらこの子が咲く季節は雨ばっかりで

 

気分も沈みがち・・・と思いきや

 

最近、見に行く映画や舞台がことごとく素晴らしいものばかりで
その作品の数々を目撃するたびに

感動が止まらない日々です…キラキラ

 



特に映画は
「グラン・トリノ」「剣岳」「レスラー」と
硬派な心に染み入る作品を立て続けに見て

普段慌ただしい毎日の中では あえて考えないような
生き方、とか 志、とか
つまり人生とか…
そういうことを少しだけ真面目に考える時間を作品からもらいましたキラキラ

基本的にそういうものは、日常の中で後回しにされがちですが
そういう何か壮大なことに想いを馳せたくなるような
そんな衝き動かされる何かがこれらの作品の中にはあって。

出会いが人生を変えるってよく言うけど
人とだけじゃなくて
けっこうなタイミングで起こる、こういう素敵な作品との巡り合いも
人生の中でひとつの大事な『出会い』だとわたしは思うんですよね…キラキラ

見終わって、「あー楽しかった!」とスッキリ言えるようなものではないし
主人公たちはハリウッド映画に出てくるようなスーパーヒーローではなくて
むしろ陰欝としている人々だったりで

クリントイーストウッドは戦争経験のある偏屈な頑固じいさん、
浅野忠信さんはただ黙々と職務を遂行する測量師、
ミッキーロークは過去に栄光の歴史を持つ落ち目のレスラー…
と それぞれ訳あり、なのですが

みんな人生(剣岳に関しては大自然と置き換えられましょう)の荒波にもまれて
もう本当に傷ついて打ちのめされて
ボロッボロになりながら

成功と失敗、人生の光と影を
時に残酷に 時に美しく


生きることの「痛み」を通して
体現してくれているのです…キラキラ

クリントイーストウッドは大好きな俳優さんで
彼の作品はたくさん見ていますが
わたしは若い頃のクールで格好いいイーストウッドよりも
断然今回の映画が一番の最高傑作だ…!と思います!!
(わたしのおじいちゃん好きを差し引いても…デス)


「グラントリノ」で俳優業を最後にして
監督に専念するというクリントイーストウッドが
最後に俳優として表現したかったもの…


自分の「老い」を包み隠さずに、自ら差別主義者の嫌味な老人を演じ
未来ある若者に「人生」を自分なりに教え、譲り、託す姿は
映画と現実のシンクロニティとさえ思えてきちゃいます…
あのラストはずるいです!すごいです!やっぱ神です!
…とにかくまだやっているので見逃した方はぜひ見てください。


俳優の先輩から剣岳の撮影話もちらりと聞いてはいたのですが
とにかく山!大自然!の迫力か凄まじくて…
実際俳優さんたちも、原作の登場人物と同じように何時間もかけて足の筋肉をパンパンにして山を登ったと言うのですから…
監督もスタッフさんも出演者さんも、自然を相手にものすんごい困難があったことと思います。


でも…だからでしょうか。
それを共に乗り越えた絆からか
最後のエンドロールが…
…ねキラキラ


と、言いたいけれどおっとっと。


これから見る方もたくさんいる映画だと思うので
ヒミツにしておきますが
とにかく本編もさることながら
エンドロールの様式を見てその心意気に
わたしは目頭がじぃ~んと熱くなりました。


このような大作でも
一つのものをみんなでつくる
というシンプルな気持ちは満ち満ちているんだと。
この映画に関わった方々が、純粋に羨ましいです。

 


そして昨日見たばかりの「レスラー」
渋谷のシネマライズで一人で観ました。


「自分のすべてをこの映画に賭ける」と誓ったとおり
ミッキー・ロークの演じるランディは
もはや演技なのかロークの生き様なのかわからないほどに一体化していて…


映画の中の彼の人生にはものすごくリアリティがあって
滲み出る孤独や哀愁が
痛々しくて でも愛おしくて

リングの上より現実の方が自分にとっては痛いんだと
老いを感じながらも自分の生き場所を求める姿に
心打たれずにはいられません…



わたしは「老い」を表現するには、

まだまだ全然経験不足なこともいっぱいあるけれど


演者としては元気さや明るさや容姿だけで訴えかけるのではなく
そう、自分のほろ苦い経験さえも取り込んで


そういう人生のどうしようもない不条理や
誰もが避けられない鬱事もリアルに感じてもらえるような
そんな奥深い表現者になれたらいいなと思います。

そしてせっかくこういうお仕事をさせともらっているのだから

「この作品に関われてよかった」と思えるものを

大きい仕事でも
小さい役割でも


一つずつ心を込めてつくっていけたら
とても幸せなことだと思う。

時間にすれば2時間
お金にすれば1800円

それだけで、と思うか
そんなに!と思うかは人それぞれですが

見終わった後、わたしは確かに心が…人生が
少し豊かになったのを感じました。

自分を含めてそういう人がたくさんいると思うと
だからこの創作の世界が好きだなあって
改めて思うのです… 。

 

 

小さな夢が集まって 一つの素敵な花になって咲く

 

 

 

まるで紫陽花みたいですね。