大塚麻恵「まえを向いて歩こう!~涙がこぼれてもいいんじゃない♪~」by Ameba-090405_231516.jpg

去年インドに訪れた時…

到着一日目の夜に、もう帰りたいと思った。


マカオからインドへ行く飛行機が深夜着しかなくて
空港を出たら、暗い中大勢のインド人に囲まれて

前に進もうとしても立ちはだかって行かせてくれないし

わからないヒンドゥー語で大声で怒鳴られるし

荷物は勝手に持っていかれそうになるし

髪はひっぱられるし

身体は触られるし

まさにナンジャコリャ~!!
の連続で…


なんとか宿には辿り着いたけど…その後も
インドにいる間

嘘をつかれて

ぼったくられたり

盗まれたり

更に女性というだけで、危険な目にさんざんあったり…


多分、外国の旅行者があうであろう
ありったけの洗礼にあった気がする。


二人だったことは心強かったけど同時に、

自分だけならまだしも

嫌な目にあう度に
大事な友達の泣きそうないたたまれない顔を見て

この旅に誘った自分の責任を感じて二倍にやるせなくなったりもした…。


色々世界を見てきた今思えば
私達が単にひ弱だった気もするし

もちろん嫌な思い出ばかりじゃない。

中には、親切にしてくれたインド人もいたし

そういう人達とのよい出会いも経て無事帰ってきたからこそ

「いい体験だったね」

って今笑えるけど

本当に最初の夜は…。


度々、扉から窓から
部屋に侵入してこようとする輩との攻防戦にろくに眠れずに

昼間は昼間で
道を歩けば、物乞いや路上生活をする子供達の「バクシーシ」の攻撃に心は葛藤の嵐で

不安と疲労の中

この国を世界一周のルートにチョイスしなければよかった…
と正直思ったりもした。


でも不思議なもので。


何日かいたら

手でカレーを食べて
裸足で外を歩いて

そうしてまず見た目から現地の人達のスタイルに溶け込んでいきつつ

インド人の好奇な視線にもハッタリにも慣れていって…

この国だからこそ味わえる
刺激と興奮と過酷な現実に
徐々に惹かれていった自分がいた。


インドを去る時は

無事生き抜いたというほっとした気持ちと

またいつか来て
もっとしっかりとこの国を受け止めてみたい
という漠然とした思いが生まれた。


そういう経験があったからこそ…


今回のバングラデシュの現状を目にした時

あまり衝撃やショックは少なくて

その分、目に映るものだけでなく

より本質的な部分や
貧困というイメージの下に隠れた
この国の本当の温かさや美しさ…

見た目で覆い隠せない輝き

…みたいなものを、身近に感じられた気がするのです。


とにかく、「大変だ」と思う出来事こそ

その時乗り越えたり、時には挫折したりしたことが

実は後々、自分の成長に繋がっていたりするのではないかと

今、痛切に実感として思います。


そして大変な思いをたくさんして生きてきた人は

その分広い視野で物事を見れる、人の痛みがわかる、
優しい人間になれるのではないでしょうか。


そういった意味では
「生きること」だけでも大変なことである途上国の人達は

自然と本当の優しさ、本当の笑顔を持っている人が非常に多い気がします。

そしてその優しさは、彼等の「強さ」でもあると思います。


もちろん、人の心は弱き部分もありますから

やけになって道を踏み外す人や
自分が受けた仕打ちを他人にしてしまう悲しいケースもあります。

どの国にもいるように、「人間」を食い物にする人も出て来ます。

でも、その何倍も
優しさや温かさで満ち溢れた人がいることを

前回は「怖い」というイメージから入って
それを始めのうちは引きずってしまった途上国での旅でしたが

今回のバングラデシュでは早々に感じることができました…。


この国は今、大きく変わろうとしています。

読み書きや計算を勉強できなければ
大人になっても出来る仕事は限られてしまいます。

多くの子供達は貧困によってそれらを学べないことで
貧困から抜け出せないという悪循環に陥りがちですが

私達にとって当たり前である小学校教育が
受けられないことがどれほどの可能性の芽を摘んでいるか

逆にその教育を受けることが
将来どれほどの可能性を広げていくか…

この国では今やっと大人が認識し始め
まだまだ増え続けるストリートチルドレンに四苦八苦しながらも
そういう制度が整いつつあるのです。


今回の旅で会ったそんな子供達の一日一日が、
バングラデシュの持つ宝物であると感じました。


この話はまた書き出すと長ーくなってしまうので(笑)
今日はここらへんにして
後程、写真と共に紹介していけたらと思います!


来た時は

こんな気持ちになるなんて思わなかったけど

ダッカの夜を空港に向かって走りながら

帰りたくない
この国を、人々を、子供達を
もう少し見続けたい…


本当にそう思いました。


いつまでこの気持ちの熱さが続くか自分にも分からないけど

今回の旅が、わたしの人生において
世界一周と同じくらい多大な影響を与えたことは確かで

時間もお金もかなり無理はしたけど…
無理してでも本当に来てよかった!!と思います。

人生には無理しなくちゃいけない時があるんだなあと

しかも二十代の今、無理しないでいつ頑張る!って。


世界は広くて
凄い奴らがいっぱいいて

そんな現実を
ネットや紙面じゃなく
旅すると目の当たりに体感できるのです。


わたしの胸はその度にワクワクが止まらなくなる


今は言葉に出来ないけど

新しい目標もできた…気がする!


ベンガル語の「ありがとう」は「ドンノバット」。

こんな熱い気持ちをくれたバングラデシュに

ベリベリードンノバット

です!!