さぁ今日の冒険が始まります!!
毎日本当に暑いですね。
今日は時節柄、怖い体験談を語ってみたいと思います。
初めにお断りしておきますが、自分で書いていても、思い出したらけっこう怖かったです。
また、建物や道の作りなどは当時の話なので、今とはちょっと違うかもしれませんが、そこんとこよろしくお願いします。
それでは、よろしいですか?
A la can がまだ結婚する前、実家に住んでいた頃。
金曜日に六本木へ遊びに行き、終電に乗れませんでした。
その頃、週末深夜の六本木はタクシーの争奪戦で、空車に出会うまで1～2時間も道端で待ち続けるなんでザラだったのです。
どうしよう?
A la can、生まれ育ちはなかなかの都会でして、六本木の交差点から家までは、直線距離にして3km弱。
問題は、六本木と家をまっすぐ結ぶ道がないってことだけど、それでも1時間ちょい歩けば家に着くんじゃなかろうか。
歩いて帰っちゃおう!
我が家は、六本木交差点から北西の方角です。
「車じゃないから路地裏にも入れる。なるべく直線距離で行こう」と方角を見定め、知らない道に足を踏み入れました。
賑やかな大通りから一歩中へ入ると、マンションや隠れ家的な飲食店が混在し、人影はぐっとまばらになりました。
その先は、し～んと静まり返った住宅街。
さらに進むと、いつしか道は、青々と葉を茂らせた桜並木に変わっていました。
両側にきちんと歩道の設けられた、気持ちよさげなワインディングロードなのに、なぜか人も車も通らない。
六本木からすごく近いはずなのに、タクシー1台すら通りません。
誰もいない。
ヘンなの。
視線を上げると、遠くには新宿の高層ビル群が見えました。
六本木からちょっと歩いただけなのに、どうしてこんなに見通しがいいんだろう?
道の左右は、木々が茂った公園のようでした。
いや、違う…。
暗闇の中、眼を凝らしてみると、低いシルエットが不揃いに並んでいました。
ぐえっ、ぐえっ、ぐえっ。
そこは、青山霊園の「ど真ん中」を貫く道だったのです。
道の両側が墓地!
ハイヒールの足が痛み出しましたが、ここまで来ちゃったら家に向かって進むしかありません。
タクシー1台すら通らないし、他に交通の手段はないのです。
突然、左側の墓地の方から
パシッ
パーーーーン
という音が聞こえました。
無礼な誰かが墓地に入り込んで、花火をやっているんだろうと思いました。
音がした方を振り向くと、不揃いに並んだ墓石の間から、誰かが立ち上がったように見えました。
人影は大小2つ。
大人と子供?
しかし、その2人を「人」と表現するには、あまりにも頼りなく、儚く見えました。
つまりですね…。
彼らは、向こう側が透けて見えていたんです。
初めに聞こえた音は「ラップ音」だったのかもしれません。
パラフィン紙のように薄く透けた人間のシルエットは、2つ揃って空中に浮かぶと、ふわぁぁぁんと一直線に空へ昇っていきました。
人影たちが空中にある時、高層ビルの灯りが人影の向こうに透けて見えていたのをはっきりと覚えています。
事故か何かで、お父さんと子供が同時に亡くなったんでしょうか。
願わくば、彼らの魂の安らかならんことを。
南無。
続きはまた今度ね!!
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