4年前の11月15日は
手術の日でした。

もうずいぶん昔のこと
のように感じています。


私には、しませんが

妻と息子たちは
時々あの頃の話をする
みたいです。


あの日の記憶は
手術を受けた私には
ほとんどありません。

手術の開始まで
家族で一緒に過ごしたこと
くらいです。


普通にしてくれていたな
楽しい話をしたり
勝手に何か食べていたり
(私は食べられないのに  笑)

それが彼らの思いやり
だったのでしょう。



術後しばらくたってから
聞いたその時の話は


手術室に入る私を見送って
病室に帰り
手術の終了を待っていた時

病室の窓から見える富士山に
夕日が沈んで行き
ルビーの指輪が光るような
それは美しい「ダイヤモンド富士」
が見えたこと。

それを見た長男が
「あ…親父、きっと大丈夫だ」
と言ってくれたこと。


手術は、6時間くらい
かかったのでしょうか?

ICUに入り
短い面会を果たし
「じゃあね、明日また来るよ」
と、家族がICUを出ようとすると

「マサト!
いい子にしてるんだぞ!」
私が叫んだ、ということ。
(私は覚えていません  笑)

それを聞いた次男が
その場では「分かったよ」と
言ったものの、廊下に出ると

「何で "いい子にしてるんだぞ"
なんだよ。 俺、いくつだと
思ってるんだよ」と言いながら
泣いたこと。


再び病室に戻ろうと
既に消灯となった
病棟の廊下を歩いていると
正面の窓に、美しい満月が
光り輝いていたこと。

それを見て、長男が
「あぁ…親父、本当に大丈夫だ」
と、言ってくれたこと。


そんな話です。


三人の寄り添う姿が
目に浮かんできます。


ありがとう。


今日の夜空です。


月はどっちに出ている?