2016年10月26日

突然ステージ4の癌患者になってしま

ったこの日から数日間

 

自分もそして家族も

 

皆が普通に生活しているこの世界とは

別の次元の世界に行ってしまった

ような、あるいは自分たちだけが

どこかに取り残されてしまったような

そんな今まで感じたことのない空気間

の中を過ごしました。

 

かといって

悲しいでもなく、怖いでもなく

慌てるでもなく…

不思議な‘無の世界’にいたような

そんな気がします。

 

 

でも、そういつまでもぼんやりして

いるわけにはいきません。

現実は待ってくれません。

どこの病院にお願いするかを

決めなければなりません。

 

自分はどこの病院がいいという希望も

ないし、知っている先生もいない。

誰かに頼って紹介してもらうというのも

気が引ける。

そんな状態だったので、診断してくれた

病院で大腸カメラの検査をしてもらい

話を聞いてから手術を考えようか?

と考えていました。

 

そして、この期に及んで

まだ検査だけで手術からは逃げようか

と、心のどこかで思ってもいました。

 

11月までは仕事も入っているので

仕事に穴を空けることは絶対に嫌だ

と思っていたからです。

 

 

そんなぼんやりとした状態から

目を覚まさせてくれたのが長男

でした。

 

長男の様子がおかしいことに気付いた

会社の上司の方が声をかけて下さり

病気の事を全て打ち明けたそうです。

 

 

すると上司の方が

「大島、俺の親父もな

お前のお父さんと同じだったんだ。

大腸癌ステージ4で肝臓転移

全く同じだ。 でもな!

手術して臓器もずいぶん取ったし

抗がん剤やってラジオ波の治療もして

大変だったけど、根治したんだぞ!

今は元気に飛び回っているよ。

いいか!長期戦になるかもしれない

けれど、絶対に希望を捨てるな!

病院なら、親父の治療をしてくれた

病院を紹介してあげてもいいぞ。

俺にだけは何でも相談しろ!」

そう言って下さったそうです。

 

 

家に帰るなり、その話を

明るい顔で力強く語ってくれた

長男のおかげで、家族は一気に

前向きな気持ちになれました。

そして、一つになれたのです。

 

 

長男の上司の方のおかげです。

暗く閉ざされた心の中に

陽が射してきたようなような

そんな気持ちでした。

 

そして、何よりも

長男を支えて下さったこと

 

本当にありがたかったです。

 

 

ここからです。

人とのご縁に導かれるように

色々なことがどんどんと動き出した

のです。

 

 

そしてその後、ことが進むにつれ

‘運命’という言葉も

自分の中で腑に落ちるように

なっていきました。