まさかこのタイミングで、いきなり

自分が癌でありステージ4だなんて

告知を受けるとは…

 

勿論、心の準備なんてできている訳も

なく、ショックというよりも呆然のほうが

感覚としては近かったのかもしれま

せん。

 

でもそれ故に

冷静でいられたのかもしれません。

 

 

大島は父と兄を癌で亡くしています。

自分もいつかは癌になるかもしれない

とのぼんやりとした覚悟が元々あった

ことは前回もお話しましたが、

もう一つ、心に決めていた事が

ありました。

 

もし癌が進行した形でみつかった

ならば、「手術も治療もしない!」

ということでした。

 

 

その気持ちに変わりがないことを

自分自身で確認し、

先生にその通り伝えました。

 

「自分は手術はしないし、抗がん剤

とかの治療も受けません。

自分の寿命を自分の思う通りに

生きたいです。」

 

 

その言葉を受けた先生も冷静でした。

 

「それは、ご本人の生き方の問題

ですから…

私がどうこう言えることでは

ありません。

ただ、大腸カメラやCT検査などの

精密検査を受けて、

今どのような状態であるかだけは

しっかり確認する必要があります。

手術や治療をどうするかは、

検査結果を見てから考えても

いいのではないですか」

 

と、仰いました。

 

 

検査だけなら受けてもいいかな

と、心は少し動いたのですが…

 

 

更に

「大腸カメラを入れるならば

そのまま手術になるかもしれない。

その覚悟で受けて頂きたいのです。」

と先生が仰るものだから

 

大島はなかなか結論が出せずに

おりました。