10月に入ってからというもの、
大島の健康状態を心配する妻が
「病院で検査を受けて欲しい」と
しつこく言うようになってきました。

痩せたり食欲が落ちたように見えた
理由は、
一に、ダイエットをしていたこと。
二に、歯のぐらつきがひどくなり
部分入れ歯にしたことによる違和感
もあり、ステーキや大きな肉が
食べづらかったこと。
 
などを説明しても、妻は
「いや、何となくそういう痩せ方とは
違う気がする」と納得せず、しきりに
検査を受けるよう勧めてきました。

そんな妻がうっとうしくなり、喧嘩も
度々するようになってしまいました。
 
 
今考えれば、
妻に申し訳なかったなと思うのですが
「自分の体のことは自分が一番よく
分かっている。何でもない!と言って
いるではないか。病院には行かない!
具合が悪いと思えば自分で病院に行く
から、これ以上ぐちゃぐちゃ言うな!」
と、怒鳴ってしまったことも
ありました。
 
 
これほどまでに検査を拒んだ理由は、
大島は元々病院嫌いではありますが
それ以上に、この時期はまだプロ野球
の仕事も野球教室の仕事も残っており
とにかく仕事に集中したかったから
です。
検査はそれらの仕事を全て終えてから
と、考えていました。
 
 
妻は静かに言いました。
「分かりました。でも一つだけ
お願いします。大きな病院での検査は
受けなくていいので、かかりつけの
先生に血液検査だけしてもらって下さい。
その結果、異常がなければ
それで終わりでいいですから」と。

大島もその位ならいいかと納得し、
血液検査を受けることにしました。
 
10月も下旬になろうとしていた頃です。
 
 
数日後検査結果を聞きに行くと…
 
今まで一度も引っ掛かったことのない
肝臓の数値が急に上がっていること、
少し貧血があることが分かり、
すぐに精密検査を受けるよう
先生に言われてしまったのでした。
 
 
それでもまだその時は、
何の自覚症状もないわけだし、
後にこんな大事になろうなんてことは…
全く考えもしませんでした。