読むと腹が立ってしょうがない本だろう。と思った。
実際当時、人非人扱いされる程バッシングされたそうだ。というか今でも反感買っている本。
そういうと、ある意味でマキャベリに近いね(君主論も凡そ真意が一般的認識と異なる)。
この本は一言で印象を言ってしまえば、非常に卑屈な本であって読む人が読んだら「中二病が好きそうな本だ!」ってキレ散らかしそうな本。
というのも、逆張りというか人の後ろめたい気持ち、自己欺瞞に言及する本だからとにかく否定したい感情が芽生える。
しかし反証するのも不可能なので人格否定の様な論法で否定するしかない。
例えば「友達の幸福喜んでいるお前は、その実、間接的に得られるかもしれない自己利益に喜んでいる節はないか?」みたいなそういう言い回しが数百並んでいる。
あらゆる感情には「自己愛」が動機、根源になっている事について指摘している。
だから偽善についても言及してるが、「偽善でも善行ならやった方がマシに決まってんだろ」みたいな言い回しもある。
こんなものが数百も続くものだから、そうかもしれないと思っても掘り返されたくない感情の一つや二つが出てくるもんだ。
そういう生理的嫌悪感を呼び起こす一冊。
個人的見解として、ロシュフコーは精神分析学や社会心理学にかなりの才を持っていると思う。
実際現代に来てその分野を学んだら「やっぱり俺の思った事は大抵正しかったじゃないか」ととても喜ぶと思われる。
まあ正しかろうが現代でも嫌われるけどね。
で、中二病が好きそうってのも強ち間違いじゃなくて、下手な勘違い冷笑系みたいなの…というか客観視出来ないバカが読んだら、自分ではなく他人を傷付ける為だけに利用しそうな節はある。
オルテガ・イ・ガセットみたいな大衆論もいい例だよね。あれも変に拗らせるってよく言われる本だが、つまり共通するのは人間の愚かさ醜さについて語る以上、自省としての読み物も兼ねているという、そこだけは気を付けて欲しい。(箴言っつってんだろ)
凡そのこの本はロシュフコー自身の、自分で気付いたコンプレックスが並べられていると思われる。
そして、自分が腹の立つ箴言に差し掛かったなら、それこそ自分のコンプレックスと考えられる。
なので、その項目は否定するのではなく、ちゃんとそれこそ箴言として飲み込むのが最善と言える。
女性蔑視な点以外について良い本だったよ。