
静かな幸せ
八か月前、私はここにいた。
いつものモーニングを注文し、フリードリンクのカプチーノをカップに注ぐ。
ここから、いつもの一日が始まる。
その頃の私は、もう二度とここへ来ることはないと思っていた。
会社員として働く生活も、これで終わりだと思っていた。
完全に仕事から離れ、ゆっくりと自分の時間を過ごす。
そんな「完全引退」を、私は夢見ていた。
けれど、その考えはいつの間にか消えていた。
生活のために、もう一度働かなければならなくなった。
必要に迫られ、以前お世話になった派遣会社の担当者に連絡をした。
そして、再び派遣で働くことになった。
不思議なことに、以前の派遣先から徒歩五分ほどしか離れていない、同じグループ会社だった。
人生とは、思っていたほど真っすぐには進まない。
一度終わったと思った場所に、また戻ってくることもある。
もう必要ないと思っていたものが、再び必要になることもある。
完全引退という夢は、まだ少し先になった。
それでも、私は思う。
完全に何もかも捨ててしまうのではなく、これからも毎日を精一杯生きていこう。
生きていくことは、誰にとっても大変だ。
時には、すべてを投げ出してしまいたくなることだってある。
それでも、いつか仕事を終え、ゆっくりと自分の時間を過ごせる日を夢見ながら、今日を生きる。
そして今、私はここで、ゆっくりと朝食を食べている。
カプチーノを飲みながら、これから始まる一日を思う。
こうして穏やかに朝を迎え、温かいものを食べ、これからの人生に小さな希望を持てる。
それだけでいい。
これは、静かな幸せなのではないだろうか。