オンナだけの…
2002年 監督/ フランソワ・オゾン
フランス映画界の新旧スター8人が結集した、1人の男をめぐるオンナだけの密室劇。原作は、フランスの劇作家ロベール・トマが書いた戯曲で、1961年の初演以降日本でも二度舞台化されているようです。

クリスマス休暇で家族が集まるなか、屋敷の主人が殺される。容疑者は家族、メイドなど総勢8人の女たち。ここから犯人探しが始まるんだけど、単なるミステリー映画ではないんです!それぞれのアリバイを検証していくにつれ、知られざる秘密、本性が暴かれていく過程がなんとも面白く斬新です!!疑心暗鬼に陥った8人が仲間割れを起こす…なんてありがちな展開でもありません!そんな当たり前の人たちではないんです!!どうなるかは…観てくださいね。

しかしこの8人の女たち、キャラ立ちが隅まで行き届いてますねー!誰一人キャラ被りなしってのもすごい!無駄に人数揃えてないすね。色分けされたが如くの衣装も素晴らしい!ストーリーよりもキャラクターの妙、衣装、音楽とかの世界観にハマるやつで繰り返し観ちゃいますよコレ!

そしてまったくの私ごとですが、実はミュージカル映画、めっちゃ不得意分野なんです。なのに最後まで楽しく観られました!普通のミュージカルとも違っていて、なんていうか心象パフォーマンスというか、独白というか…簡単にいうとすごくいいです!


【この映画の好きなとこ】

◾︎シュゾン(ヴィルジニー・ルドワイヤン)
デコ出し、ピンクのガーリーファッション、上品な顔立ち!超タイプです!この人が出ていればどんなに退屈な作品でも最後まで観られるかも!
完全に個人的趣味の話しでごめんなさい!

◾︎シュゾンとカトリーヌ姉妹
大人になったシュゾンと、まだ男を知らない高校生のカトリーヌという設定がいい!女としての境界線で分けられた2人のコンビネーションが最高なんですよ!
ちょいちょいリアルな姉妹感がいいなあ

◾︎オープニングタイトル
キラキラバックに登場するタイトルはもちろんなんですが、そのあとの主演女優クレジットがとても粋です!8人の名前に併せてのお花バックがラブリーです!
キラキラ
もしかしたら各キャラクターに花言葉とかを合わせてたりするんですかね

◾︎カトリーヌの食いつき
ルイーズがマルセルの愛人であり、"いろんな体位で喜ばせた"事を告白した時のワンカット。顔を伏せて赤面するシュゾンと前のめりに聴き入るカトリーヌの対比がウケる!
カトリーヌおもろい

◾︎Mon amour, mon ami
シュゾンが歌うミュージカルパート。シュゾンを演じるヴィルジニーは、ダンスやってるんですかね?体幹がすごく良くキレイに踊れますね!

アイドルかよ!かわゆすなー

◾︎オーギュスティーヌの目覚め
男の誘惑方法を聞いてくるオーギュスティーヌに"色気は学ぶものじゃなくて、あるかないかよ"との格言をするルイーズ
最下層メイド、女王への逆転構図
じゃじゃーん!色気?あるけど ※めがねっ子のオーギュスティーヌです

◾︎ギャビーとピエレット
お金を男に盗られたピエレットは、そのお金の行き先が目の前にいるギャビーであると知り、「金返せ!」の大乱闘に!!
からのレズシーン…どうなってんの!

◾︎探偵カトリーヌの謎とき
ミステリー映画の最後は謎ときです!探偵小説マニアの女子高生カトリーヌが驚愕の真実を発表!
がんばれJK探偵!

◾︎カトリーヌの愛  ※ネタバレ
父親への気持ちを確かめる為に仕組まれた"茶番劇"のはずが、事態は思わぬ結末を迎えます。父親に対する愛がせつないです。
カトリーヌも想定外の事態が!
みんなが◯◯◯◯のよ!!

屋敷主人の死体も出てきますが、顔も伏せ、台詞も与えない事で男性の存在感を消し、女性だけの世界観に統一されています。女性に限らず、異性の存在あるなしで人間って行動、立ち振る舞いすべて変わりますよね。虚勢抜きに曝け出せるのって同性間だけだと思います。それを覗き見る恐ろしさ、そして面白さに溢れた作品です!

それにしてもミュージカルパートは、どのパートも素晴らしいです!ザ・ミュージカルって感じじゃないのがボクの嗜好にハマりました!主演女優それぞれにミュージカルパートが与えられている所も出色であり大きなウリ!きっと繰り返し観たくなる!