国立劇場伝統芸能情報館 1階 情報展示室で開催中の企画展「怪談物のつくりかた ─役者の芸と仕掛けの世界─」に行ってきました。会期 令和5年4月22日(土)~ 8月20日(日)ですので、日程的にまだ少し余裕があります。

どんなに駅近でも、ほぼ必ずといっていいほど迷子になる地図の読めない女の典型ですが、この日は無事到着。

 

 

 

企画展「怪談物のつくりかた ─役者の芸と仕掛けの世界─」

幽霊や、怪しい猫や狐たち。 舞台には、時々おばけが登場します。 それらは皆「ほんもの」ではなく、「つくりもの」のおばけです。

つくりもののおばけを観客に見せ、こわがらせる芝居が怪談物です。生身の人間である役者たちは、おばけらしく見えるように、動きや表情を工夫し、外見を変えて舞台に立ちます。おばけが宙を飛び、グロテスクな姿に変身するなどの怪談物の名場面では、大がかりな道具や仕掛けも必要不可欠です。江戸時代から現代まで、役者の芸と仕掛けによって、視覚的効果の高い芝居がつくられてきたのです。

本展は、観客席からは知りえない怪談物のつくりかたの一端を、多様な資料を用いてお見せする、国立劇場ならではの企画です。国立劇場所蔵の文献資料や、役者絵、手品に関する古文献のコレクションである「緒方奇術文庫」、「山本奇術文庫」の珍しい品々、舞台で使われる現役の道具や模型などを出品します。舞台の裏側や背景にふれた後は、ご自分でもおばけをつくることができる? かもしれません。

会期    令和5年4月22日(土)~ 8月20日(日) 

開館時間    午前10時から午後6時 

場所    国立劇場伝統芸能情報館 1階 情報展示室 

入場料    無料

 

第1章 舞台をつくる人々―役者と作者

蝦蟇の着ぐるみ

 

「天竺徳兵衛韓噺」初演の絵本番付

「死絵 尾上松緑」初代歌川国貞

「死絵 三代目尾上菊五郎」

「尾上菊五郎当り狂言合」

 

第2章 舞台をつくる道具と仕掛け

「新富座本普請落成夜劇場看客群衆図」

『御狂言楽屋本説』

骨寄せの骸骨、焼酎火、赤子

赤子、赤子笛

「百物語化物屋敷の図 林屋正蔵工夫の怪談」

怪談噺用化面

 

第3章 妖怪のつくりかた―玉藻前と化け猫を中心に

錦絵 「大当狂言尽 尾上菊五郎」、「講談一席読切 鏑井芦洲 妖婦玉藻前 岩井半四 郎」

錦絵 「風流曲独楽 竹沢藤次(三国妖狐)」

妖狐の面

九尾の狐

文楽かしら 玉藻前〈双面〉

文楽かしら 玉藻前〈両面〉

錦絵 「梅初春五十三駅」

化け猫の手

 

第4章 幽霊のつくりかた―四谷怪談を中心に

錦絵 東海道四谷怪談

錦絵 「東海道四谷怪談」(三枚続のうち一枚か)

錦絵 「形見草四谷怪談」

大道具模型 仏壇返し

舞台模型 『東海道四谷怪談』蛇山庵室の場の舞台模型

 

5章 おばけと遊ぶ、おばけで遊ぶ

 

錦絵 「子供あそび」

錦絵 「宙乗寿語六」

錦絵 「百種怪談妖物双六」(複製)

錦絵 「天地人弎界双六」(複製)

『珎術さんげ袋 上』

『続懺悔袋 上・下』

『仙術夜半樂 上・下』

『手妻早傳授 初編 全』

『天狗通 上』

『天狗通 中』

『放下筌 上・中・下』

『手妻早傳授 二編 全』

「ゆうれへろうそくの伝」

『秘事百撰 三篇』

写し絵の風呂と種板

 

 

     

 

☆おばけシールプレゼント☆「親子で楽しむ歌舞伎教室」の日は伝統芸能情報館で特製「おばけシール」をプレゼント!令和5年 7月16日(日)・20日(木)~24日(月)

 

シールはそのまま枠ごとそーっと台紙から全て外し、もちろん手帳に貼る。

パンフレットと出品目録。

     

 

     

日本芸術文化振興会ニュース

入場料無料にもかかわらず素晴らしい展示品の数々、貴重なものをたくさん見せていただきただただ有難い。展示スペースはそれほど広くないものの、全てをしっかり鑑賞すると1時間以上かかります。見ごたえあり!

初代国立劇場さよなら記念

1966(昭和41)年11月にオープンした国立劇場は2023年10月末の閉場後、建て替えにより劇場の再整備を行い再開場は2029年秋を目指すとのこと。

初代国立劇場の姿を見られるのも、あとわずかです。