7月19日午後9時から、NHK特集として「移民の受け入れについて」の報道番組がありました。

人口減少社会において、移民政策をどうするか各界からいろいろな意見がでてきましたが、私の友人がこの番組に関わっていたので、後で電話でいろいろ裏話を聴きましたよ。


農業、林業、水産業、畜産業の一次産業の現場は相当高齢化が進んでいますが、この仕事を技術研修制度でやってきた海外の若い人に『人材』と言うよりは『人手』になってもらっているところがけっこうありますが、その雇用主も番組に出ていました。


もちろん、一次産業だけでなくあらゆる分野で人手が足りなくなっていきます。


国も、従来、期間が3年であったのを5年に延長して、主に、建設業や造船業などで働いてもらおうと法制度を変えようとしていますが、そもそも、この制度自体、幾つかの問題があるのです。


まず、海外の研究生は労働基準法対象にならず、従って劣悪な環境と低賃金でも我慢しなければならない。また、技術研修と言っても実際の仕事はいわゆる3K(キツイ、キタナイ、キケン)の業種が多い。期間が終わった後は本国に帰らなければならない。その他、いろいろありますが、いずれにしても、問題が山積みになっている。


介護や看護の仕事はこれからますます人手不足が顕著になり、NHKでもベトナムやフィリッピンから来た若い看護・介護士が意見を述べていました。『仕事がきつく賃金が安い』『職場の空気を読まないといけないのでストレスがたまる』


何も日本だけが少子高齢化の道を辿っているわけではなく、欧州先進国や台湾や韓国、シンガポールなどは日本以上に出生率が低く、そんな国から優秀な看護士や介護士に対するオファーは今までもこれからも尽きることはない。そうなると入国や定住に際して厳しい規制があり、資格を取るのが難しい日本にやってくる若い人たちの数が少なくなっていくのは目に見えて明らかなことですね。


番組では、ドイツの受け入れ制度がたいへん緩和してきていることを報じていて、しかも給料がドイツ人とそれほど変わらないという。参加していた海外の人たちが、「明日にでもドイツに行きたい」と言っていたのは印象的でしたね。


国際人材獲得競争に入ったきた現在、このまま何も手を打たずに過ごすと、自ずと明日は見えてきます。


移民政策がいよいよ本腰を入れて、国民的議論に発展していきそうです。