“松下幸之助さんが何故成功したのか”

かつてPHP研究所で幸之助さんの秘書のような役割を担っていた江口克彦さんという人が書いた「松下幸之助の成功法則」を読むと、それがよくわかります。


その中で、しきりに「人間観」という言葉が出ていました。


韓非子という中国の有名な哲学者は、「人間の本質は悪」という性悪説を説いて、組織における人間の統治方法をいろいろな事例を挙げながら伝えています。


幸之助さんも稲盛さんも、どちらかというと人間を信ずるところ、つまり性善説からから始まっているような感じがしますが、実は中身を深く観察すると、韓非子の教えに従うところが多々見受けられます。


人間の本質は何であるのかを問いかけ、人間観を鋭く磨いていくとなると、孔子の論語の対極をなす自ずと韓非子の哲学にいきつくのでしょう。


もちろん、幸之助さんの本には韓非子の話など一言もでてきません。


繰り返しになりますが、人間感の捉え方は人間の本質とは何かから出発します。それはひじょうにシビアなものです。そこを見失うと大きな誤解が生まれてくるのです。


幸之助さんは、さすが、神様だと思いましたね。