仏教において、人間が持つ数々ある煩悩の中で「貪りの心」「怒りの心」「愚かな心」の3つを人間をもっとも苦しめる毒薬という意味で『三毒』と呼んでいます。
また『貪瞋痴(とんじんち)の三毒』ともいいます。
1.「貪り」とは、欲望が強く自分の好きなものに執着する心のこと。
2.「怒り」とは、自分の嫌いなものに対して反発したり腹を立てたりする心のこと。
3.「愚か」とは、道理をわきまえない心のこと。
また、『六波羅蜜』というのがあります。すなわち、
1.「布施」とは、分け与える心
①財施ーお金や物を施すこと
②身施ー身体を使った労力を施すこと
③法施ー仏の教えを施すこと
2.「持戒」とは、戒律や規律を守り身を慎む心
3.「忍辱」とは、他に対して寛容で耐え忍ぶ心
4.「精進」とは、たゆまず純粋に努力する心
5.「禅定」とは、迷ったり動揺せず静かな精神を保ち、集中する心
6.「智慧」とは、真理を見極め判断し、処理する心
これらも、経営者にとってとても大事な資質です。
名経営者になるには「三毒」を排して「六波羅蜜」の修業することです。
言葉や意識としてはわかっていても、いざとなると行動が伴わない、或いは間逆の行動をおこしてしまう。
心とはつまり脳のこと。
脳を、特に前頭前野の左側前頭葉のニューロン(神経細胞)の数を増やしたり、ひとつのニューロンの成長を促したり、或いは脳全体をバランスを整えたり、さらに必要な神経伝達物質の量を確保したりするなど、しっかり鍛え上げることによって、無意識の領域までこれらを植えつけ根を張らしていくことが大切なのです。
それがなければ、全く絵に描いた餅、まさに「論語読みの論語知らず」と同じことになりますね。