脳科学の分野において、コペルニクスの天動説、ダーウィンの進化論、フロイトの無意識の次に来る革命的な学説が現れる可能性が高くなってきました。


脳科学がここまで発展してきた理由として脳の血流量を測定するfMRIとか脳波計などが飛躍的に進化し、今、脳のどの部位が働いているか一目でわかるようになったのが大きい。


その中でも特に大脳新皮質の「前頭前野」と大脳辺縁系の「扁桃体」の働きに注目すべきですね。


「前頭前野」は言うまでもなく、ものごとの思考や判断を司るたいへん重要な部位で、計画や忍耐といったのもここの働きです。一方、「扁桃体」は怒りや不安、闘いを司る部位で、また無意識下の記憶などもここが担います。となるとユングが言った「集合的無意識」はこの部位なのですね。であればこれまでこのブログでいろいろ述べてきた民族的な性格の元型はここにあるとすれば、確かに納得できますね。


「前頭前野」と「扁桃体」の神経細胞ニューロンは神経伝達物質によってしっかり繋がっています。生まれ持ってきたニューロンに加えて、生きる過程で様々な方法によってしっかり鍛えていかなければなりません。


「扁桃体」が動きが活発になると怒りがどんどん増発します。怒りとは単に怒りだけでなく、張り合い・後悔・怨み・嫉妬・反抗心・もの惜しみなども怒りでくくるとしたら、人生にとてつもなく大きな影響を与えます。


もちろん、これが機能しなくなると、まったく感情がなくなってしまいたいへんな状態に陥ります。要はいかにバランスをとるかです。それには「前頭前野」の働きが不可欠なのです。


「前頭前野」が鍛えないと計画がおろそかになり的確な決断ができません。また辛抱とか我慢ができず、安易な判断で失敗を増長させます。「扁桃体」の動きを監視し冷静にものごとを見極める役割がここにあります。


有名なナポレオンヒルの著書『思考は現実化する』は、1900年代の初頭に書かれたもので、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにインタビューをした事をきっかけに、500名以上の成功者の研究をして、成功哲学を体系化した人物として有名です。この中で描かれていることはまさに脳の働きによって成功する者とそうでない者が生まれると言っています。当時脳を調べる方法がなかったので脳科学に関する記述はまったくありませんが、理論的にはほぼ同じですね。


いかに「前頭前野」を鍛え上げ、「扁桃体」のバランスを整えるか。これは自分自身を変えるという意味でもあります。通常人間の細胞は7年で生まれ変わる。ならば、私自身のニューロンを変えていくためには、それに気付いてから7年間要するということになります。



7年ですね。長いようでもあっという間でしょう。