最近、北朝鮮の金正日が、病気のためすっかりやせ衰えている姿がマスコミによく登場しています。西洋医学の粋を集め、何とか回復すべく治療をしているようですが、どうなのでしょう。もちろん、西洋医学だけでなく、東洋医学つまり漢方薬も煎じて飲んでいるに違いないでしょうが。
漢方薬といえば“朝鮮人参”。天然物は、今やダイアモンドよりも価値が高いとされていますが、その天然物が、果たして今朝鮮半島にあるのでしょうか?
朝鮮人参は、にんじんといっても野菜のにんじんとは全く別物で、古来、不老長寿、万病の薬として漢方では最高の位置を占めていました。昔から、王室の進上や中国歴代王朝への貢物の中には必ず含まれていたそうです。対外交易で、銀貨の代用で使われたときもあったそうですね。
その天然物が枯渇し、人工栽培がすでに14世紀に、高麗王朝の首都であった開城で本格化したらしいのです。今も“開城人参”は有名ですよ。人工栽培では、秋に播種といって種を作る作業をし、その翌秋に移植して5年で収穫するのです。栽培には、独特の日よけ覆いがつけられて、一度栽培した土地は消耗し、数十年は人参の栽培ができないようです。
海外へ輸出したり、町で売っている人参のほとんどがこの人工栽培で、根を洗って乾燥させたものが「白参(ぺクサム)」で、蒸して乾燥させたものが「紅参(ホンサム)」といいますが、この人工栽培と天然物では天地ほどの効き目と価格の違いがあるといわれていますね。
韓国では、昔から、この朝鮮人参にまつわる話が多いのですが、例えば、親の病気を治すために全国を歩き回って探し当てた孝行息子の話など、今も他国に誇るべき文化のひとつであるのです。
日本でも、江戸時代に朝鮮人参の需要が増え、日本各地で人工栽培が行われたらしく、今も、信州で作った朝鮮人参を韓国へ輸出し、“高麗人参”のブランドで国内はもとより、海外へも売られているとのことですね。
もう天然物は韓国では見つからないといわれています。ただ、北朝鮮ならその可能性があると。金正日は、その政治権力で最高級の朝鮮人参を見つけ出し、自らの体でその効果を確認し、「わが国にはこんなすばらしい特産と朝鮮人参文化がある」と世界に向けて広くPRすればよいと思うのですが。
そうすれば、人工栽培のものであっても、こぞってそれを求めるようになりますよ。別に高価なミサイルや核を作らなくとも済みますしね。
朝鮮人参があったからこそ、朝鮮半島は様々な試練や苦難があっても、国が存亡の危機に立たされても、ここまで生き延びて来られたといっても過言ではありません。朝鮮人参に感謝する気持ちで、韓国と北朝鮮が力を合わせ「人参祭」を開催してはどうでしょうか? たかが人参ですが、されど人参です。
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