今週は、上場企業の株主総会が集中する週ですね。各社3月決算の結果を株主の報告するために、たいへん忙しくしている姿が目に浮かびます。前年度は景気悪化によって、どこもひじょうに厳しい数字となっており、経営者や担当者は例年以上に苦労が多いでしょうね。


わが社も昨日株主総会を開催しました。元来、中小企業の場合、その株式を経営者かその家族や親族、また比較的近しい関係者が保有していることがほとんどなので、株主総会といっても、あまり緊張感がなく「しゃんしゃん」で終わらせるケースが多いのですが、わが社の場合、ベンチャーキャピタルという他者資本が入っているために、そんな訳にはいかず、事前に資料作成などきちんとした準備を行い、株主の皆様と真摯にコミュニケーションをはからなければならないのです。


株主の付託を得て、経営しているわけですから、会社の通信簿である決算に対して経営者自ら株主に対して説明する責任があります。同時に、会社の将来の株式公開に向けた成長戦略や企業としてあるべき姿もしっかりと描き出し、株主からの信頼を得なければなりません。


昨今の公開企業の不祥事や刑事事件などの発生によって、上場するたいへん審査が厳しくなると共に、上場に至るまでの様々な経費、また上場を維持するためのコンプライアンス(法令遵守)やCSR(企業の社会的責任)に関わるコストが、ひじょうに高くなってきました。それに拍車をかけたのが、今回の世界的な金融市場の悪化やそれに伴う景気の低迷などで、上場を計画していたベンチャー企業の多くが、予定どおりの事業の進展が見込めず、上場を延期または断念といったケースが増えているのです。


本来、株式を公開するということは、パブリックな会社になるということです。その結果として、市場からの円滑な資金調達、知名度向上による有為な人材の発掘や企業ブランドの定着、新規事業への推進などが可能となります。しかし、これらとは裏腹に、昨今、その上場企業の倒産が増えており、また、前述の高コスト化によって必ずしも株式公開に多大なメリットがあるとは言えなくなってきましたね。


しかし、それでもわが社は、「株式公開、上場」を目指していきます。それが本来資本主義の原点と思うからであり、また私の夢でもあるからです。


「会社とは誰のものか?」、この言葉は、最近ではあまり聞こえてこなくなりましたが、会社とは、まず株主のものであることに相違ありません。しかし、同時に経営者やそこで働く社員、また、より広い意味では、取引先や地域社会のものであることも間違いないだろうと思っています。


グローバル資本主義の崩壊で、「会社は誰のものか」という概念が変わってきたように思います。国が株式を保有するケースも増えてきました。また、同族会社の良さも見直しされてきていますからね。

企業経営に、「何が正解か」はないと思います。それぞれの企業が各々の考えや理念に沿って突き進めばよいことですから。


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