現在、私は「おおさかATCグリーンエコプラザビジネス交流会アジア環境ビジネス研究部会」の部会長をしています。この目的は、アジア特に中国での環境ビジネス展開の可能性と、その際に生じる様々なリスクについて研究していこうと創ったものなのです。
日本は、今後人口減少時代を迎え、経済成長が鈍化し、多くの分野で市場が縮小していくと考えられます。環境ビジネス市場においても、成長する業種と減少・停滞していく業種とがはっきりしてくるでしょうね。
私たちの土壌環境ビジネス業界では、人が減ることでマンション・住宅開発が少なくなり、国内や海外からの不動産ファンドなどの投資も減り、また、製造業やサービス業が一層海外進出するため、工場や商業施設の建設も停滞していくため、今後市場が縮小すると見ています。
反面、環境法令が厳しくなり、市民の環境意識が向上し環境保全に対する高まりは強くなるとともに企業の社会的責任がますます重くなってきますね。その影響によって市場が拡大していく可能性も高くなります。
このプラスとマイナス要因を合わせて総合的に考えた結果、私は将来市場はやはり相当シュリンクしていくことになると判断しています。やはり、経済成長の根本は人であり、その生産性ですからね。
そうなると今後企業の成長戦略としては、
1.縮小市場での激烈な競争の中でいかにパイを拡げるか?
2.現在のノウハウを活かせる成長市場分野にいかに参入するか?
3.自社のノウハウや技術をいかに海外に売り込めるか?
といったものが必要になってきますね。
中国での環境ビジネスの展開はまさに3にあたるわけです。
昨日、神戸でそれに関連するセミナーがあり、現在のマーケットの状況について聞いてきました。中国は膨大な財政を出動させ内需を拡大させています。それに伴い環境問題もますます深刻になってきています。市場は極めて大きいのですが、日本から参入した企業はほとんど儲けていないとのことでしたね。
中国の環境ビジネスには、国内、欧米先進国、韓国や台湾、そして日本といった企業や団体がすでに数多く参入しており、現地で猛烈な闘いを繰り広げています。
今回、講師はビジネス展開でのありとあらゆるリスクについて列挙していましたが、全てをヘッジするためには相当な資金と人が必要となりますね。中小・ベンチャーにとってはそれが最も大きなリスクとなるかもしれません。
講師は、中国ビジネスはまず現地パートーナーをしっかり選び、撤退や不参入も視野に入れてしっかり準備することが重要だと言っていましたね。中国で製品を作る、或いは日本製品を現地で販売するといった目に見えるビジネスと私たちが展開する事業モデルとでは全然リスクが違いますから。
日本文明の中で育った者にとって中国人は、まるで別の空間からきた宇宙人のように映るのかもしれませんね。宇宙人の価値観がわからなければわが社で対処しようがないので、参入すべきではないと考えています。
いずれにしても、精一杯の準備をしていきます。
株式会社淡海環境デザインホームページ