来る者は拒まず、去る者は追わず!

これは、51日にBSフジの「プライムタイム」に、私が所属する「一般社団法人移民政策研究所」の坂中所長が移民政策の第一人者として出演した際、コメンテーターとして同志社大学大学院の浜矩(のり)子教授が言っていた言葉です。


つまり、『外国からやって来る者はおおきな気持ちで迎え、日本から去っていく者にはやさしく手を振って見送ろう』といったところでしょうか。


移民反対論者として日大法学部の百地教授が出ていましたが、確か、「外国人は日本に対する忠誠心がない。だから受け入れるのは危険だ」といったことを話していましたが、それに対して浜さんが次のようなことを言っていましたね。


「どこの国でも、その国に永住する外国人に対して忠誠心とか愛国心を求めるが、これからの日本はそんなこと関係なく新しい発想で受け入れば良い。そして、そのことを日本から外国へ発信すれば良い。」、「新しい酒は新しい皮袋に、日本独自の考えを持てば良いではないか」と。


百地さんが「外国人が増えると治安が悪くなる」ということが言っていました。確かに、マスコミでは、よく外国人の犯罪が報道されます。外国人だから特に目立つんですね。私たち在日韓国・朝鮮人も、通常は日本名で生活していても、新聞沙汰になると本名で報じられ確かによく目立ちましたね。


しかし、当然のことながら、外国人が全て犯罪者であるわけではないですし、日本人だから犯罪率が低いということでも、もちろん、ありませんね。

私たちの調査では、日本語をしっかり話すことができ、定職について安定した生活を送る外国人であるならば、犯罪とはほとんど無縁ですね。


イギリスのテロ、フランスの暴動、ドイツの治安悪化など、ヨーロッパ先進国では、移民政策によっていろいろな問題が生じ、『ヨーロッパでの移民政策は失敗だった。だから日本はうまくいくことはない。』という声がありますが、これには、坂中所長も「日本は逆に、これらの国々の失敗事例や経験を学習することができる。日本は、むしろ外国人との共存や共生は、他の国々よりも成功する素地を持っている。」と確信をもって主張しているんです。


英・仏・独国は、移民政策に関する苦い経験を経て、むしろ今世紀に入って「移民立国」をはっきり宣言し、米国を中心とする「世界的人材獲得競争」に参戦しているのです。


むろん、日本も決して負けてはならないでしょう。

百地さんは、残念ながら、少子高齢化リスク・人口減少リスクを防止するための対案とかビジョンは、ほとんどありませんでしたね。とにかく、「外国人を受け入れるのは危険だ。」の一点張りで。


ただ、これから、移民政策について、百地さんの言うように、しっかりと国民的議論をしていくことが重要であることだけは間違いありませんが。



世界的な経済不況の真っ只中、“国益”という単語が徘徊しています。つまり、これは“わが国さえ良ければ”という保護主義の台頭です。米国の「バイアメリカン条項」などはその一例でしょう。

グローバル時代とは、人、物、金が国境を越えて移動する時代ですね。保護主義の横行は果たしてグローバル時代の終焉になるでしょうか?

人類はいつか来た道を再び辿るのでしょうか?



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